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天真爛漫
第五章
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「それでも言わないと」
「あんたらしく明るくいきなさい」
「いつもの根明さなはどうしたのよ」
「こういうのは突き進むだけよ」
 こう言ってとにかくハッパをかける。
「わかったあいいわね」
「前に前によ」
「進んでいきなさい」
「そこまで言うんなら」
 友美も遂に頷いた。こうしてだった。
 友美はその日の放課後早速自分らしく明るくジャスティンに告白することにした。時間と場所は部活の後の下校中だ。
 隣に歩いているジャスティンにとにかく必死に明るい声でこう言ったのだ。
「これからお友達じゃなくてね」
「お友達じゃなくて?」
「彼氏彼女でこうしていたいけれどいいかな」
 さりげなくも装った。内心平静を保とうと必死だった。
「そうしていい?」
「今の言葉って」
「告白よ」
 顔は正面に向けている。にこにことして言ったが内心は冷や冷やだ。心臓が自分でもわかる程ばくばくと鳴っている。
 その中でこの言葉を必死で言ったのである。
「告白。いいかな」
「返事今すぐでいいかな」 
 ジャスティンも正面を向いて歩きながら友美に返してきた。
 友美はその言葉を聞いて来た、と思った。ソフトボールの公式戦のゲームセットの瞬間よりも遥かに緊張した。
 心は完全に身構えていた、そのうえで彼の言葉を待った。
 ジャスティンはすぐに、だが友美から見れば気が遠くなる位時間をかけて答えてきた。
「いいよ」
「いいって?」
「僕でよかったらさ」
 これが彼の返事だった。
「交際してくれるかな」
「そうしてくれるのね」
「うん、実は僕からも言おうかなって思ってたんだ」
 友美にとっては意外な展開だった。
「けれど友美ちゃんから言ってくれたのなら」
「受けてくれるのね」
「そうさせてもらうよ」
 にこりとした顔での言葉だった。
「喜んでね」
「そう。それじゃあ」
「これからあらてめて宜しくね」
「うん」
 友美はここでもいつもの天真爛漫な笑顔だった。しかし心の中では違っていた。
 その証拠に彼女は次の日自分のクラスでクラスメイト達に必死の顔でこう言うのだった。
「もう怖くて仕方なかったわよ」
「億泊の瞬間が?」
「そんなに?」
「そうよ。それでいいって言ってもらった時は」 
 クラスメイト達にその時のことも話す。
「心臓が止まりそうで」
「そこまで緊張したのね」
「その瞬間は」
「そうよ。それでお家に帰ってから全然眠れなくて」
 喜びのあまりそうなったというのだ。
「今だって寝不足だから」
「そこまでなのね」
「緊張して嬉しいのね」
「そうよ。いや、私も自分でわかったわ」
 こんなことも言うのだった。
「私自分が底抜けに根明で何に対しても緊張とか戸惑いとかせずに明るくやれるって思って
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