第四章
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その中でジャスティンに言うのである。
「何もないから」
「だったらいいけれどさ」
「とにかくだけれど」
「とにかく?」
「何かね」
友美は中々言葉を出せなくなっていた。彼も正視できなくなっていた。
それでも何とか言葉を出して彼を見てこう言うのである。
「今日も明日もこうして一緒に登下校して」
「うん、いつも通りね」
「そうしてていいわよね」
「僕に聞くことか?」
「そうみたい。そうしてもいいわよね」
「いや、友美ちゃんがいいならいいけれど」
ジャスティンは少しきょとんとした感じで答えた。
「僕としてはね」
「そう。それじゃあ」
「これからもね」
「そうしてくれると嬉しいわ。けれど」
「けれど?」
「うん、今度いえ今から」
すぐに言葉を訂正させる。
「何か食べに行かない?」
「お腹空いた?」
「ちょっとね。何か食べない?」
「じゃあ何がいいかな」
「クレープどうかしら」
友美が出したのはこれだった。
「それどうかしら」
「日本のクレープって美味しいよね」
「アメリカのはどうなの?」
「美味しいけれど甘過ぎてね」
それでだというのだ。
「日本のみたいにあっさりしてないんだ」
「そうなの」
「だからあまり甘過ぎないのがいいから」
「一緒に食べていいのね」
「いいよ。何かいつもおうどんとかを一緒に食べるのに今は違うけれど」
「何となくクレープだって思ったから」
付き合ってる二人ならその方がいいと思ったことは言わない友美だった。やはりかなり強く意識しだしていた。
そうしたことが続いていた、そしてだった。
ある日ジャスティンをかなり強く意識するようになっていた友美に周りがこう言ってきた。
「正直なところどうなのよ」
「彼のことどうなのよ」
「ずっともじもじしてるけれど」
「実際のところどうなの?」
「ジャスティン君のこと」
「だからそれは」
友美は周りの問いに四方八方を囲まれた感じの顔になっていた。まさに窮すという。
その顔でこう言ったのである。
「別に」
「いや、もうわかるから」
「態度に出過ぎだから」
「普段の根明ないから」
「だからね」
それでもうわかるというのだ。
「わかりやす過ぎて」
「もう何ていうかね」
「だからもう言っちゃいなさいよ」
「本当のところどうなのよ」
「そこまで言うのなら言うわよ」
追い詰められてどうしようもなくだ。友美も答えた。
「好きよ」
「ほら、やっぱり」
「彼のこと好きじゃない」
「好きなら好きでね」
「ちゃんとしなさいよ」
「ちゃんとって何よ」
友美は周りに今度はむきになった顔で言い返す。
「だから」
「告白しろってことよ」
一人に単刀直入に言われた。
「
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