第二十話 人間味その十四
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「俺達の敵でも」
「そうだな」
ヨーグルトは伊賀崎のその指摘に頷いた。
「あれでな」
「そのバスコみたいな」
「極端な悪党はいない」
「そうだよな」
「有り難いことだな」
「やっぱり戦うにしてもな」
そうしてもとだ、伊賀崎は考える顔になって述べた・
「性根が悪くないとな」
「それに越したことはないな」
「そうだよな」
「思えば牙鬼九右衛門もです」
百地が言ってきた。
「謀略を企み暗躍しましたが」
「とことん悪い奴じゃなかったな」
「はい、私達の敵でしたが」
このことは事実だがというのだ。
「その心はです」
「腐っていなかったしな」
「確かな心も感じられました」
「そうだったよな、けれどダグデドなんてな」
「この目で見ていませんが」
「聞くだけで嫌になるよな」
「悪です」
百地はまさにと答えた。
「そう言う以外にありません」
「全くだよな」
「ですから」
それでというのだ。
「彼については肯定出来るものもありません」
「全くな」
「はい」
百地はまさにと答えた。
「何一つとして」
「そうだよな」
「私も思うことです」
「全くだな、それでだけれどな」
ここで獅子王が言ってきた。
「そろそろ飯の時間だぞ」
「もうそんな時間なんだ」
「ああ、そうだ」
五色田に時間を見つつ答えた。
「昼飯のな」
「じゃあ食べようか」
「それで何を食べようかな」
「ラーメンどうかな」
有働が笑って提案した。
「お昼は」
「そういえば」
五色田は有働の言葉を受けて言った。
「最近食べてないよ。ラーメン」
「時々食べたくなるよね」
「うん、そうだね」
「だからね」
有働は明るく笑って話した。
「今日のお昼はね」
「ラーメンだね」
「それにしよう」
「それじゃあ」
「いや、丁度食べたいと思っていたんだ」
有働は笑ったままこうも言った。
「ラーメンをね」
「いいですね、ラーメンは」
天知も笑って話した。
「本当に時々でも食べたくなります」
「そうですよね」
「ええ、ではこれより皆で」
「ラーメンを食べましょう」
「そうしましょう」
「薄口醤油のね」
エリはラーメンの話をした。
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