激闘編
第九十話 新人事
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宇宙暦795年10月9日11:45
アムリッツァ宙域、アムリッツァ星系カイタル、自由惑星同盟、自由惑星同盟軍、アムリッツァ方面軍地上司令部、第九艦隊司令部事務室、
ヤマト・ウィンチェスター
激戦だった。何とか帝国軍は撃退したものの、被害は甚大だった。追撃なんてしなければ…ラインハルトの戦術能力が低いって言ったのは訂正だ。何度概略図を見直してもとんでもない鮮やかさだ。というよりはやっぱり同盟軍の艦隊司令官達の能力が低いのか?今回の戦いの損害を合計すると第二艦隊は壊滅状態でパエッタは重症、第三艦隊は六割の損害、第四艦隊は九割の損害、第十艦隊も四割の損害、イゼルローン駐留艦隊もほぼ壊滅、ウランフ提督は戦死…比較的損害軽微の第十三艦隊ですら四割近い損害、俺の艦隊も三割程の損害をが出た。まあ、俺の艦隊はマイクをヤンさんの援護に回したから、そこが響いているな…あわせて六百万人近い戦死者だ…元の世界なら横浜と名古屋を合わせたくらいの人間が死んだ事になる…とんでもない数字だよ全く。
“ご苦労だったな”
画面にはシトレ親父とルーカス親父、コーネフ親父が映っている。統合作戦本部長と宇宙艦隊司令長官が揃ってる絵面なんて中々見れるもんじゃない。それだけハイネセンでも深刻に捉えられているという事だろう。
「それほどでもありません。自分の指揮で死んでいった者には申し訳ありませんが、よく切り抜けられたと思っています」
”しかし、よくやってくれた。貴官が第十三艦隊をボーデンに送らなかったら、あのままアムリッツァまで押し込まれていただろう“
「…ありがとうございます、まあ、その後全て台無しになってしまいましたが」
“言いにくい事をはっきりと言うな、君は”
ルーカス親父は苦笑している。
「本当の事です。あたら死ななくてもいい者達が一部指揮官の欲の為に死んでいったのです。猛省すべきでしょう」
“分かっているよ。今貴官が指摘した事も原因の一つではあるが…問題は何だと思うかね”
「強い指揮官が居ません」
“強い指揮官?戦闘に強い指揮官という事かね?”
「それもそうですが、指揮官をまとめる事の出来る指揮官が居ません、下の者の暴走を止める事の出来る上級指揮官が」
返事が無い。思う事を話せ、という事か?
「距離の問題もあり、実際に現地を統括したのはグリーンヒル大将です。大将はアムリッツァ方面軍総司令官ですからそれは分かります。しかし全般指揮において少し消極的だったのではないかと感じています…いえ、消極的だったと思います」
“続けたまえ”
シトレ親父は口を出さない。話しているのはルーカス親父だけだった。職制上、シトレ親父やコーネフ親父は宇宙艦隊に作戦面の口出しは出来ない。報告を受けたルーカス親父が、それをシトレ親父
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