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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第九十話 新人事
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アムリッツァは守られた。だが犠牲はあまりも大きい。戦力の建て直しは急務だ、アムリッツァの残存兵力は規模にして三個艦隊程の兵力しかない。そして攻め寄せた帝国軍の損害は軽微…最悪の場合、半年程で帝国軍は再度侵攻してくるだろう。当面はハイネセンにいる六個艦隊をアムリッツァに持って行くしか手はない…。
「第三、第四、第十艦隊の残存艦兵力は、第一、第九、第十三艦隊の再編成に充てよう。どうだろうコーネフ次長」
「異存はありませんが、第三、第四、第十の各艦隊は一から艦隊再編という事になりますな……処分の代わり、という訳ですかな」
「グリーンヒルの性分では追撃しようなどとは思わないだろう。追撃自体は悪くない、ただ…追撃の意見具申を行った艦隊司令官達には、負けた時の事も考えて欲しかったな。司令長官はどう考えるかな」
「私も異存はありません。どのみち損害の大きい艦隊はハイネセンに戻さねばなりませんし…アムリッツァに残る艦隊の再編成も同時に行えるのですから、願ったり叶ったりです。あと私は退役します」
「辞めるというのかね」
「誰かが責任を取らねばなりません。アムリッツァの失陥は避けられたとはいえ、約六百万の犠牲はあまりにも大きい」
ルーカスが辞めるとなると私も辞めねばならんな…出来れば勝利の後に辞任したかったが、頃合いかもしれんな。
「では私も辞任しよう。コーネフ次長はどうするね?」
「お二人が辞任するのに私だけ残る訳にはいきません。まあ私はもうすぐ定年でしたから、それが少し早まっただけです」
「済まないな、次長。では後任人事だが…私の後任はグリーンヒルにしよう」
「…宜しいのですか?」
「奴なら何故自分がこの地位に推された意味を理解するだろう。次長はクブルスリーとする。どうかな、次長」
「宜しいと思います」
「うむ。ではルーカス長官、君の後任だが、誰が適当と考えるかね?」
「ビュコック大将を押します」
「ビュコック大将か…彼は兵達の信望は厚いが、強い指揮官と言えるか?士官学校を出ていないし艦隊司令官達が従うかな」
「補佐する者を付ければよいでしょう。副司令官を置けばいいと思います。ウィンチェスターを昇進させ、副司令長官にすればいい。副司令官職が新設される…この意味を分からない高級指揮官は必要ないかと。それに、反発する者には我々と共に辞めて貰うか、一線から引いて貰う。本部長以下三人が辞めるのです、説得もしやすい」
「私と同じ事を考えていたとはね」
「兵達からの信望の厚いビュコック大将と同盟市民からの人気のあるウィンチェスター…ヤン少将も昇進させましょう。ウィンチェスターとヤンの働きがなければ、戦いの結果は違っていた筈です」
「そうだな…責任を取り上層部は辞任、後任人事は真に戦える体制作りの為に…と理解して貰えるだろう。これでよければトリュー
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