激闘編
第九十話 新人事
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
けてきたもんだ…というかちゃんと存在するんだな、焼酎。水割りね、濃いめでお願い。
「ありがとう…平気だよあれくらいは。多分…グリーンヒル閣下の事にしろ艦隊司令官達の事にしろ、本部長も司令長官も分かっている事だ」
「では…それ以外の生の声が聞きたいと?」
「そうだろうね。ウチの艦隊はボーデンには居なかった。だから上としても聞きやすい」
12:00
ミリアム・ローザス
焼酎…芋で造ったお酒らしい。それにしても真っ昼間からお酒なんて飲んでていいのかしら…。
「ヤン提督はどう思ってらっしゃるのでしょう。追撃が行われた時にはヤン提督はアムリッツァでした」
「ヤンさんにも色々聞いているんじゃないかな。聞けばヤンさんのところには追撃の話は来なかったみたいだし」
初耳だわ…帝国艦隊が撤退したのはヤン提督の第十三艦隊と第十艦隊とでミュッケンベルガー艦隊を挟み撃ちにしようとしたから…って事は知ってるけど…。体よく追い払われた、って事かしら。
「ヤン提督にこれ以上功績を立てさせたくなかった…って事でしょうか?」
提督はキャビネットからもう一つグラスを取り出した。飲めって事なのかしら……く、くさい!これが焼酎…。我慢、我慢…。
「艦隊司令官達はそう思っていたかもしれないね。グリーンヒル閣下は違ったかもしれない。ヤンさんから聞いたんだが、追撃の決定を知らされた通信で、グリーンヒル閣下やパン屋…じゃなかった、チェン参謀長は苦虫を噛み潰したような表情だったらしいよ。追撃なんていう愚行に付き合わせたくなかったんじゃないかな。まあ我々への増援という事もあっただろうけど」
そう言うと提督は大きいため息をついた。グリーンヒル閣下は艦隊司令官達を抑え切れなかった責任を感じていた、って事かしら。そうよね、追撃なんてしなければあんなに戦死者が出る事は無かった…。帝国軍が撤退したからいいものの、味方の三個艦隊を打ち破った時点で引き返してもおかしくは無かった。三個艦隊を引っかき回したのはミューゼル艦隊と帝国軍主力の一部だけで、全体を見れば帝国軍にはまだ余力があったのよね…。
「ミュッケンベルガーは自ら囮になったのかもなあ」
いつの間にか焼酎のボトルは半分以上が空になっていた。
「まさかな…ミュッケンベルガーの性格を考えるとなあ…自分を囮にして麾下の艦隊がどう動くか見る…特に自分の周りではなく他の星系の………」
「……閣下?」
寝てる…。そりゃ寝ちゃうわよね、戦闘始まってからほとんど寝てなかったし。カイタルに着いてからも何かしらと忙しかったし。タオルケットか何か持ってきてあげよう…おやすみなさい…。
10月9日12:30
バーラト星系、ハイネセン、ハイネセンポリス郊外、統合作戦本部ビル、統合作戦本部長公室、
シドニー・シトレ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ