第一章
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天真爛漫
木藤友美は小柄ながら可愛らしい外見だ。
肌はソフト部の部活のせいでよく日焼けしている。茶色の長く伸ばし波立たせた髪に薄くカットしている眉、明るくよく動くやや小さな瞳にえくぼが微かに見える頬に八重歯の見える悪戯っぽい唇を持っている。
性格はとても明るく部活でもクラスでもムードメーカーだ。
その彼女にクラスメイトの面々はよくこう言っていた。
「友美ちゃんっていつも明るいよな」
「悩んだり躊躇とかしない方よね」
「いつもまず前に出る」
「何に対しても積極進取」
「そうしてるわよね」
「うん、確かにうじうじ悩んだり迷ったりするの嫌いだし」
友美自身もそうだと笑顔で言う。
「まずは前に出ないと嫌なのよ」
「だよな。それが友美ちゃんだよな」
「いつも明るく前向きに」
「能天気っていったら悪いかな」
「悪くないわよ」
いつも屈託のない顔で返す。
「自分でわかってるしね」
「だからなんだ」
「それで」
「うん、いいのよ」
本当にいつもこう言うのだ。
「というか本当に暗いのとか好きじゃないし」
「だからいつも明るい」
「前向きなのね」
「うん、何でも楽しくしないとね」
こうも言うのがいつもである。
「部活も授業もね」
「それで学園生活も」
「それもだね」
「うん、本当に何でもね」
友美は屈託のない笑顔で言う。
「やらないとね」
「じゃあ何でも」
「明るく楽しく」
こうした話をいつもしていた。友美自身も自分は何に対しても前向きで根明だと思っていた、しかしその彼女が。
ある日部活が早く終わりたまたまクラスに忘れものをしていたことを思い出してそこに戻った。部活でのジャージから制服に着替えてクラスに戻ると。
その途中で一人の背の高い生徒に前からこう言われたのだ。
「あの」
「何?」
見れば一八〇を超える聴診で黒い髪をさらさらとさせている。
顔立ちは日本人のものだけでなくコーカロイドも混ざっている感じだった、目は黒いがやや彫のある顔で肌も白い。
顔立ちは全体に整い体格も確かだ、その彼が言ってきたのだ。
「一つ聞きたいことがあるけれど」
「聞きたいことって?」
「うん、アメフト部室なんだけれど」
「アメフト部の」
「実は僕今日この学校に転校してきたんだけれどさ」
「そういえば何か転校生がH組に来たっていうけれど」
友美もこのことをここで思い出した。
「それが」
「そう、僕なんだよ」
彼は微笑んで友美に言ってくる。
「安田ジャスティンっていうんだよ」
「ジャスティン?」
「お父さんがアメリカ人なんだよ、ポーランド系のさ」
彼安田ジャスティンは笑顔で友美に話す。
「アメリカに住んでた
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