黒星団-ブラックスターズ-part8/近く遠い想い人
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ているのです…」
悲しげに目を伏せるアンリエッタは、意識のないウェールズのてをぎゅっと握る。以前なら握り返してくれていたであろうが、今は握り返してくる感触はない。
「…」
アンリエッタとウェールズを見て、シュウも表情を変えてはいないが悲しみを感じた。ビーストのせいでまた誰かが、こうして当たり前の幸せを奪われていく。アンリエッタと同じ悲しみと共に、このような不幸を招いたビーストへの怒りが沸々と湧き上がる。
「ウェールズ様、早くお元気な姿をアンに見せてくださいませ。そして、眠られた間の分だけたくさんお話ししましょう?もちろん、ここにいるあなたの従姉妹…ティファニア達とも。
それに、喜んでください。あなたが気にかけていたティファニアに、素敵な騎士様が隣にいらっしゃるんですよ。きっとあなたとも仲良くなれると思いますわ」
「私の騎士?………っ!か、会長!何言ってるんですかぁ!?」
「そうだよ!この人は私のなんだから!」
自分に騎士がいる。それも隣に…と聞いたテファは横を見やると、真っ先に該当する男子顔が目に入る。このタイミングでの『騎士』の意味するところは一つ。それを理解したテファは顔を真っ赤にし、突然さらりと爆弾発言をかましてきたアンリエッタに声を上げる。愛梨も愛梨で聞き捨てならないぞと、シュウの所有権を主張し出す。
「あらあら、ふふ。女の戦いが始まったみたいですわ」
「笑ってる場合か、やめろ。ここは病室だ」
病院内で騒ぎを起こして目を付けられてはたまったものではない。愛梨の発言については突っ込み返そうかとシュウは二人に静かにするように注意した。
「そうだ。騒ぐのは止めた方がいい」
新たに耳に入った声に、シュウ達全員の意識がそちらに向いた。
「でなければ、我々のような輩に見つかりやすいのだからな!」
「誰!?」
そこに並んでいたのは…
「銀色のレイダー、シルバーブルーメ!」
一人は手が隠れるほどの長いセーターを着た銀髪の少女、
「赤いスナイパー、ノーバ」
一人は赤いマントを纏う少女、
「そして私こそ漆黒のリーダー、ブラック指令!」
最後の一人は黒いマントを羽織った黒い長髪の女、
「我ら『ブラックスターズ』!」
奇抜な格好をした三人の女達であった。
関係者以外の面会は許可されない状況での、見覚えのない人物達との邂逅。シュウと咄嗟にテファ達の前に立って彼女達を下がらせる。
「ブラック…スターズ?」
黒マントの女はシュウには目をくれず、後ろにいるアンリエッタに注目した。
「君が魔を封じる古い一族の末裔…アンリエッタ君だな?」
「私…?」
「悪いが君を連れて行かせてもらうぞ。我ら『ブラックスターズ』の野望成就にためにな!」
バイト先のメイド喫茶での勤務を終え帰路に立つシエスタは、サイ
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