黒星団-ブラックスターズ-part8/近く遠い想い人
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ュにサイトは彼の過去の過ちを蒸し返すが、ふとあることに気づく。ギーシュが、確かケティという一学年下の子と浮気していたこと…それはいつのことかと言われると、なぜかそれを思い出せなかった。
「えっと、いつのことだっけ」
「私に振らないでよ」
なんとなくサイトはルイズに尋ねるが、他人の浮気の詳細情報なんて覚えたくもないものだそう
「やれやれ、君は人が悪いな。覚えのない罪状で僕をはめようだなんて」
「そう言って過去の過ちを誤魔化すところが余計に怪しいんだよな」
ギーシュがやれやれと肩をすくめて見せたが、憐はいかにも疑り深くギーシュを見ていた。
「本当に覚えがないんだが!」
「覚えてないほどなんて、ギーシュさんもう救いようがないですね」
「信用0」
「まぁギーシュだし」
反論するものの普段の女にだらしない態度が原因で『ギーシュは自分の浮気のことを深刻に捉えていない、いい加減なゲス野郎』と見なされ全く信用されず、ハルナやタバサ、加えて愛梨からも侮蔑の言葉と視線を浴びせられ、ギーシュは枯れた。
「…シュウ。悪いけど会長を送って頂戴。ギーシュは論外だし、だからと言ってこのバカ犬にさせようにも、ちょっと不安だわ」
「あぁ、わかった」
「あのさ、ちょっと待てルイズ。さっきの言い方だと、俺もギーシュなんかと同列扱いじゃね?」
先ほどのルイズの言い回し方の裏に隠れた意味を察したサイトは、不満げにルイズを睨む。
「当たり前じゃない。あんた目を離すとすぐ他の女に目移りするじゃない。それも特にむ…むむ…む…」
むむむとなぜか言い淀んだルイズ。
「む?なんだよ」
「あんたが逆立しても手に入らないものよねぇ」
「黙ってなさいよキュルケ!」
「そ、そうです!何もそれだけが女の子の魅力ってわけじゃないんですから!」
ここにして察しが悪くなったサイト。キュルケは肩を竦めながら叶わぬ望みを抱えるルイズを笑い、ハルナもルイズの不満に同調して言い返すのだった。
「じゃああたしも一緒にシュウに着いて行くね!」
「お、おい。くっつくな」
「ぬぉ!」
「くっそ、シュウの野郎…」
「あ〜あ」
アンリエッタの身の安全というなら、特に断る理由もない。受け入れたシュウに乗っかるように愛梨も同行を決め、彼の腕に自分のそれを絡める。サイトや尾白からも、押し当たっている胸の感触を味遭わされているであろうシュウを羨ましそうに睨む視線が、彼に向けて突き刺さるのだった。ギーシュほど見境無しではないが、思春期男子であることは同じ二人であった。やっはり危険じゃないの…とルイズは苛立ちと呆れを同時に味わった。
「あ…」
愛梨がシュウの腕に自分のそれを絡めるだけでなく、わざと胸を押し当てるそれを見たテファは、反射的に声が漏れる。どこかその表情は…痛みを覚えているようにさえ見える
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