黒星団-ブラックスターズ-part8/近く遠い想い人
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トに自宅まで送ってもらうことになった。バイトの一件が発覚して以来、シエスタたちに粘着する客や不審者が帰り際を狙ってくることをルイズが懸念したためである。それらのトラブルを避けるためのボディガード役を引き受けることになったのだ。とは言えルイズとハルナからすれば、サイトにシエスタを任せるのは気が気でないこと。ならばと自分たちも同行しようかと考えたものの、帰り道が全く違う方角故に家が遠いため、無念だがこうしてサイトとシエスタが二人きりになるのを許すしかなかった。憐を頼ろうかとも思ったが、残念ながら予定があったとのことだ。
「サイトさん、帰り道の同伴、ありがとうございます」
「これくらいお安い御用だよ。俺たちの家ちょうど隣同士だし」
「ふふ、サイトさんがお隣さんでよかったです」
サイトとしても帰宅ついでにシエスタのお守りをするのは悪い気はしないしちょうどよかった。改めて隣人でよかったと思える。
「…」
しかしどうしてだろうか。なぜかサイトは、奇妙な気まずさを覚えて話を振ることができなくなっていた。
(き、気まずいな…俺、こう言う時シエスタとどんな話してたっけ)
突然、理由のわからない気まずさに困り果てるサイトだが、なんとか話題を探そうとする。
「あ、サイトさん。あれを見てください」
そんな中、シエスタがある方角を指差す。
「あれは…公園?」
指差した方角に、滑り台やブランコ等、いかにも幼い子供が遊ぶ遊具が並んでいた。
「覚えてませんか?私たち、小さい頃はよくあそこで一緒に遊んでたじゃないですか」
「えっと…」
言われてみて、サイトは昔の記憶を辿る。
…確か、よく同年代の男子とウルトラマンごっこしていたような…
(…ん?ウルトラマンごっこ?そんなのやってたか?)
サイトはその記憶に違和感を覚える。こんな記憶あっただろうか。確か自分はシエスタが言った通り、彼女とよく遊んでいたはずなのに。また記憶の語弊を認識して自分でも首を傾げる。そもそもウルトラマンの…ウルトラセブンの子である自分もウルトラマンだ。父は確かに憧れのウルトラ戦士だが、本物を知るからこそ、わざわざウルトラマンごっこなんてする気になれない。
「…あー、そういえば…そうだったな。確かおままごとしてたんだっけ」
振り返っているうちに、確かに幼いシエスタと一緒に遊んでいた頃の記憶が蘇った。
「ええ、かくれんぼもよくやってました。あの頃のサイトさん、本当に隠れるのが得意でしたもの。一度隠れたらなかなか見つけられなくて、どこにいるんだろって探してたら、あそこの土管の中に隠れて寝ていたんです。
後で話を聞いたおじいちゃんも『若い頃のダンにそっくりだな!』って大笑いしてました。サイトさんのお父さんも、いつの間にか姿を消すのがお得意だったとか」
「はは、そうそう。確かそん時、気が
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