黒星団-ブラックスターズ-part8/近く遠い想い人
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まることになる。
そう、彼が今言った通り、本当ならシエスタたちは学校関係者や近しい知人たちには話さない上でアルバイトに勤しむはずだった。
「そうだぞギーシュ、お前とモンモンが軽々しく喋ったせいで、シエスタたちがバイトしてるのが学校中にバレたんだ。本当なら、皆に内緒でやるつもりだったんだぜ。特にテファ、大人数の人を相手にするの慣れてないタイプだろ。頑張ってはいるけど、きっとしんどいはずだぜ」
しかし、口の軽いギーシュとモンモランシーが喋ってしまったことが原因でたちまち、シエスタたちがメイド喫茶でアルバイトしていることが学校中の周知するところとなってしまったのである。特に大人しめな性格のテファには、いきなり大勢の人間に、それも男受けしやすい格好で晒し者になる状況は非常にやりにくいことだろう。
この時までには既にシエスタたちへの謝罪は済ませてあるのだが、こうして調子に乗っているギーシュについては反省の色があまり見られない。
「うぅ…もう謝ったんだから許してくれ」
「それが謝罪をするべきものの言動か?グラモン」
「まぁまぁ、それ以上いじめてやるなって。もうこうなったもんはさ、こういう店ってのもあるし、ここは敢えて客として楽しもうぜ」
許しを請うギーシュを庇うように、憐はこれ以上はやめるように言い、シュウもこれ以上ギーシュのためにピリピリするのも無駄なことだと悟ってそれ以上は言わないことにした。
本当なら内緒で行うはずのシエスタたちのバイトだが、結果的に客が増えたことは、店側としては好機であった。
この状況を見て更なる売り上げアップを目指したスカロンたちは、『チキチキメイドさんチップレース』なるイベントの開催を宣言。優勝したら店側から特別賞を授与できる権限を与えると謳うことで、より一層メイドさんたちの競争を加速させることになった。
このチップレースは実に効果を発揮し、開始して以来シエスタをはじめとしたメイドさんの配膳を求めて客がどっと押し寄せるようになった。
そんな感じで始まったチップレースの模様なのだが…
「か・い・ちょー!か・い・ちょー!」
「お呼びでしょうか?ご注文をお聞きしますね」
「シエスタちゃん、こっち向いてぇ!」
「ご注文ですね?少々お待ちを!」
シエスタはもとより手慣れているようで、スムーズに接客に勤しんでいた。アンリエッタも客の注文を一言一句ミスすることなく聞き届けている。他の生徒や教師とのコミュニケーションが重要視される生徒会長という立場にいるからこそ、客に不快な思いをさせることなく満足度の高い接客ができるのだろう。
「ティファニアちゃ〜ん!お冷オナシャース!」
「は、はぁい!すぐにお持ちいたします!」
「愛梨先輩!こっちにもサービスしてください!」
「はーい♪もう少し待っててね、たっぷりサービスし
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