最初から勝負にはなって無かった
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高だよね!
心と足取りが軽くなりつつ僕も3階へと荷物を運ぶ。
さぁ頑張れコードネーム“プリティー・ランチボックス”!
何とか場所も確保し、美女二人と共に寛ぎながらこの大会の開会式等を眺めている。
如何やら我々の目当てであるピパン君は、丁度我々が陣取った場所の真下辺りに居るらしく、3階席からでは姿を確認する事は出来なかった。
だけど事前に用意されてる大会プログラムを見ると、ピパン君の試合時間はまだ先なので声だけでもかけようと思い、開会式が終わって直ぐに3人揃って1階へと向かった。
2階を通り過ぎた辺りで、先程の将来有望少女も同じ事を考えたのか、廊下で遭遇。
だが先んじてたドリスさんは既に1階へと降りており、あの少女を見る事は無かった。
その代わりに廊下へと出てきてたピパン君に偶然遭遇。
少し遅れて後方からあの少女も愛しき人物を発見するも、今回は完全にドリスさんの方が先にピパン君の名を叫ぶ。
当然それに気付くは我らのアイドルピパン君。
直ぐに呼ばれた方に視線を向けてその人物を目視。
だが意識を大きく持って行かれたのは声をかけた主では無く、手を握られ側に居た将来安泰の僕の妹デイジー。
未来のお義母さんの手を離し未来の旦那さんへと走寄抱き付く。
突然のサプライズゲストに驚き戸惑い幸せに浸っているピパン君……そんな彼にご友人が「ねぇねぇ、誰だい? 俺に紹介してくれよ」とナイスすぎる質問をしてくれる。
彼には後で何かを奢ってあげなければ!
こんな人混みだと折角の台詞が訊かせたいオーディエンスに聞こえないのではと思い、「ここじゃなんだし、ドリスさんが確保したあっちの観戦スペースへ行ってから、落ち着いて話をしようよ」と提案する。
彼は素直に快諾。
我々の後に付いて3階へと……
1階、2階よりかは人が少なくなり、ストーカーの様に付いて来た例の将来有望少女が思わず声をかけてきたので僕も慌てて「付き合いたてでイチャイチャしたい気持ちも解るけど、『バカップル』って呼ばれない為にもう少しキビキビ動いた方が良いよ(笑)」と周囲の人々に理解してもらえる様に告知。
そんな当人には恥ずかしいであろう“告知”に全然否定をしない幸せ満載顔のピパン君の追っかけ少女……顔にファンデーションを塗りすぎなんじゃ無いかと思われるくらい真っ白な顔で立ち尽くしている。
思わずサラボナ産の良い化粧品をお薦めしてやろうかと思えるくらい彼女は可愛らしい(笑)
フラフラとした足取りで自らの品位を落としてまで確保した2階席へと帰って行く少女……
正直に教えてあげたい。
もしこの世にデイジーが存在しなくても、君には縁の無い世界だったと思うよ……とね
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