最初から勝負にはなって無かった
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さんと仲良く会話している。
二人とも後部座席に乗っているから、ルームミラー越しの確認だけど、僕として凄く喜ばしい。
現状抱えてる心配事は悩んでも解決出来ない部類なので、今は大小関係なく幸せを掻き集めて精神の均衡を保つとしよう。
時間的には大分早くに行動を開始したのだが、大会会場となる中央地区体育館は何だか凄い混雑で、体育館周辺の駐車スペースに魔道車を駐める事も一苦労だった。
何とか駐車をし大会会場へと……
ピパン君を含め多分僕の分も用意してくれてあると勝手に予測するお弁当だと思われる大量の荷物を魔道車から卸し、会場への出入り口に視線を向けると、人が多いからはぐれるのは危険だという事を言ってドリスさんはデイジーの手を握り入場して行ってしまった。
如何やらこの大量の荷物(さっき言った弁当と思われる)を運ぶのが僕の今日の任務になった。
どうもコードネーム“プリティー・ランチボックス”です(T-T)
やはり常識人に見えてもリュカ様と血縁なだけある……ナチュラルに面倒事を押し付けてくるね。
体育館の1階……
つまり選手が試合を行う直ぐ脇は、大会運営とかの係員が設備を広げており、殆どここで観戦する事は無理だと思われる。
だから無難な2階へと上がり、見やすい場所を確保するのが定石だろう。
もう慣れているドリスさんはデイジーの?手を引いて2階席を物色。
すると、それ程良くは無いが無難そうなスペースを見つけ二人揃って小走りで近付く。
同じ事を思った人も居るらしく、ほぼ同着……まぁ贔屓目で見てちょい早く確保出来たのだが、相手もこの混雑に辟易してたのか「退きなさいよオバサン!!」と大きな声でドリスさんを牽制。
まだデイジーくらいの少女ではあるのだが、将来に希望と不安をギッチリ秘めた存在だ。
「オバサンだぁ〜……」
見るからにブチ切れそうになるドリスさんだったが、側に居るデイジーが怒鳴られた事にショックで泣きそうになっていた為、多分普段だったら今頃大乱闘状態だったんだろうけど、我々が別の場所に行く事で事無きを得る。
「まぁ良いわ……仕方ないから今日は3階席で観ましょう」
そう言って凄い視線で先程の少女を睨んで廊下へと出て行く。
僕的にはこの大量の荷物をなんとかしたい気持ちだったので、睨む訳でも無いが将来希望の少女を見詰めた。
少女は少女で僕の視線に気付いたのだが、高飛車に“ふんっ!”とそっぽを向いて無視を決め込む。
そして試合会場に向けてお手製の横断幕を広げて自分の精神世界へとトリップして行く……
なお……その愛の籠もった横断幕には『頑張れピパン君?』と、僕の疲れを癒やしてくれる文字が。
良いなぁ、この国。最
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