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八条学園騒動記
第七百五十六話 無法地帯だとその十

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「麻薬、覚醒剤だったそうだが」
「それをやる前から」
「だがそれでもな」
「ましだったのね」
「そうだった、しかしな」 
 それがというのだ。
「麻薬をやってな」
「おかしくなって」
「そうした事件を起こしたが」
「死刑にならなかったのね」
「当時の日本は暴力教師がクビにならなくて」
 そうしてというのだ。
「そんな奴もな」
「死刑にならなかったの」
「そんな国だった」
「昔から日本は繁栄していて」
 ジャッキーが眉を顰めさせて言った。
「平和で治安がよくで暮らしやすい」
「いい国だな」
「そう聞いてたけれど」
「どんな国にも問題はある」
 ダンは強い声で言った。
「それでだ」
「そうした問題があったのね」
「かつてはな」
「キチガイや麻薬やってるのが死刑にならなくて」
「人を何人も殺してもな」
「ずっと刑務所にいたのね」
「刑務所にいてもだ」
 ダンはこの事実を指摘した。
「衣食住なあるが」
「お金必要よね」
 エイミーが言ってきた。
「刑務所にも」
「税金からな」
「そうよね」
「だから人を何人も殺した奴がな」
「税金で暮らしていたのね」
「死ぬまでな」
「間違ってるわね」
 エイミーは心から言った。
「それは」
「そうだな」
「どう考えてもね」
「その間違っていることがな」
 まさにというのだ。
「まかり通っていた」
「酷いわね」
「俺もそう思う」
 ダンは強い声で言った。
「本当にな」
「そうよね」
「だから例えだ」
 テンボとジャッキーを見て言った。
「探偵が真犯人を暴いてもな」
「証拠を出してもか」
「そして有罪になってもな」
 今度はテンボに答えた。
「それでもだ」
「死刑にはならなかったか」
「そうしたケースもあった」
「そうなのか」
「凶悪犯でもな」
「悪人と言っても色々だ」
 テンボは強い声で言った。
「中には仕方なくな」
「悪いことをする奴もいるな」
「ああ、しかしな」
「凶悪犯もいるな」
「確信犯、楽しみや悪意でな」
 そうしたものに基づいてというのだ。
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