第七百五十六話 無法地帯だとその九
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「それこそ」
「大体麻薬も罪だしね」
「けれど麻薬の方が罪軽いのよね」
エイミーは残念そうに話した。
「今の連合でもね」
「ああ、そうだな」
「麻薬持ってたり使ったりで死刑にならないわね」
「刑務所に入ってもな」
「連合では死刑にならないわね」
「昔はシンガポールじゃ持ってるだけで死刑だったそうだけれど」
エイミーは二人にそれでもと話した。
「今はね」
「そこまではな」
「ならないわね、シンガポールでも」
「流石にね。ただね」
それでもというのだった。
「麻薬使って人殺しても」
「やっぱり殺人だからな」
「罪に問われるわね」
「何か当時の日本の法律相当おかしかったみたいね」
エイミーは眉を顰めさせてこの考えを述べた。
「どうも」
「そうだな」
ダンも否定しなかった。
「そうとしかだ」
「思えないわよね」
「俺もな」
「キチガイが無実になってね」
「麻薬やってると人を殺しても罪に問われないからな、中にはな」
ダンは実に嫌そうに話した。
「全裸で街で包丁持って暴れ回って」
「そうしてなの」
「何人も殺してもな」
「通り魔ね」
「今の連合なら死刑だが」
連合のどの国でもだ。
「そいつもだ」
「死刑にならなかったのね」
「一生刑務所にいたそうだが」
「死刑には、なのね」
「ならなかったらしい」
そうだったというのだ。
「これがな」
「普通死刑でしょ」
「そうだな」
「絶対にね」
エイミーだけでなくテンボとジャッキーも言った。
「連合だとね」
「エウロパじゃわからないか?」
「いや、あそこでも死刑でしょ」
「俺も死刑になると思う」
ダンはエイミーを見て答えた。
「エウロパでもな」
「死刑反対の声が大きいあそこでも」
「幾ら何でもな」
「何人も殺してだと」
「通り魔でな」
「言い逃れのし様がないわね」
「そうだな、しかしな」
それがというのだ。
「当時の日本だとな」
「死刑にならなかったのね」
「麻薬中毒ならな」
「麻薬やってる状態なら」
「何でも電波を受けてな」
一説では電波、狂気に陥っている輩を表現するこの言葉はこの忌まわしい事件からはじまったという。
「それでな」
「何人も殺したの」
「全裸で包丁を振り回してな」
「リアルで麻薬やってたのね」
「最初はまだまともだったそうだが」
「まだなの」
「幾分おかしなところがあった」
そうだったというのだ。
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