第二章
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で言わないから」
お母さんは早苗ちゃんにこうも言いました。
「いつも早苗ちゃんやお兄ちゃん、お父さんのことを考えて言ってるからね」
「皆のことを?」
「お母さんだからね」
だからだというのです。
「お母さんはいつも家族のことを考えているから御母さんなのよ」
「皆のことを考えてるから」
「いつもね」
「私もお母さんになれるの?」
早苗ちゃんはお母さんの話を聞いて目を輝かせて問い返しました。
「いつも皆のことを考えてたら」
「勿論よ」
これがお母さんの返事でした。
「だって早苗ちゃんはお母さんの娘だから」
「だからなの」
「そう。絶対になれるから」
そのお母さんにだというのです。
「いつも皆のことを考えていたらね」
「うん、じゃあ渡しこれからはいつも皆のことを考えて」
そしてだというのです。
「お母さんの言うことを聞いてお母さんになるね」
「頑張ってね。そしてね」
お母さんは娘の今の言葉に心の中でとても喜びながら言いました。
「いいお母さんになってね」
「うん、お母さんみたいにね」
早苗ちゃんはお母さんの今の笑顔にも頷きました。二人で夕暮れの中を歩いていきます。早苗ちゃんはその赤い夕暮れの光を前から受けながら満面の赤い笑顔で頷くのでした。
虫歯 完
2012・10・19
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