第一章
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虫歯
沖津早苗ちゃんは甘いものが大好きです。果物もお菓子も大好きです。
それで今もおやつのホットケーキを食べています。その時お母さんがこう早苗ちゃんに対して言ってきました。
「食べた後はね」
「歯を磨くの?」
「そう。絶対に磨きなさい」
こう早苗ちゃんに言うのです。
「いいわね」
「けれど」
早苗ちゃんはお母さんに嫌そうな顔で言いました。
「歯を磨くのって面倒くさいから」
「嫌だっていうのね」
「うん。一回位いいじゃない」
「駄目よ。お母さんいつも言ってるじゃない」
お母さんは厳しい顔で早苗ちゃんに言います。
「寝る前と甘いものを食べた後はね」
「歯を磨かないと駄目なのね」
「そう。さもないと虫歯になるわよ」
「虫歯ってそんなに怖いの?」
「とても痛いのよ」
お母さんは今度は怖そうな顔になります。
「もう痛くて痛くて仕方ないから」
「大丈夫よ、そんなの」
早苗ちゃんは虫歯にかかったことがありません。それで何も知らない平気な顔でこうお母さんに応えたのです。
「虫歯になんかならないから」
「今までならなかったからっていうのね」
「うん。私今まで虫歯になったことないよ」
「それはちゃんと磨いてきたからよ」
「だからっていうの?」
「もしちゃんと磨かないと」
お母さんは怖い顔のまま早苗ちゃんに言ってきます。
「本当に怖いわよ」
「そんなことないわよ。歯なんか磨かなくても平気よ」
「じゃあ磨かないの?」
「うん、面倒くさしし」
実際にこう言う早苗ちゃんでした。
「私磨かないよ」
「大変なことになるわよ」
お母さんはむっとした顔で早苗ちゃんに言いました。ですが早苗ちゃんは何もわからないままパンケーキにとても甘いシロップをたっぷりとかけて食べました。
パンケーキだけでなく他の甘いものも毎日食べます。しかも歯を磨くことが面倒くさいのでそれをしなくなりました。
やがて寝ている時に急にでした。
歯が痛くなりました、それも奥の方からです。
ずきずきとしてずっと悼みます、早苗ちゃんはこの痛みにびっくりして飛び上がって起きました。
「痛い、何これ」
「あっ、やっぱりね」
早苗ちゃんの隣に寝ていたお母さんはその声に自分も起きて言いました。お父さんとお兄ちゃんはまだぐっすりと寝ています。
「虫歯になったわね」
「凄く痛いけど」
「奥の方からよね」
「うん、こんな痛いのはじめて」
悼む左の頬の奥を手で押さえながら言います。
「寝られないよ、痛くて」
「そうよね。それが虫歯なのよ」
「こんなに痛いの?」
「放っておいたらもっと痛くなるわよ」
お母さんはこう言うのでした。
「それでもいいの?」
「そんなの嫌よ。どうすれ
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