第二章
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「他の犬とも違ってな」
「トイプードルだから平気ね」
「それで好きなんだよ」
「お水に濡れることが」
「だからな、むしろな」
文太はさらに言った。
「ふわりはトイプードルの中でもな」
「特によね」
「濡れるのが好きだな」
「泳ぐこともね」
「そうだよな」
「それって」
百合子はふわりがどうしてそうなのか考えて言った。
「ふわりがトイプードルの本能が出ている娘ってことね」
「ああ、そうだ」
その通りだという返事だった。
「それでだ」
「やっぱりそうよね」
「性格もな」
「凄くいい娘で」
「トイプードドルはそのことも有名だな」
「そうよね」
「頭もいいがな」
このこともというのだ。
「やっぱりな」
「トイプードルの特徴ね」
「ああ、そしてな」
「お水に濡れることが好きなのも」
「活発で運動も好きだな」
「泳ぐこともお散歩もね」
「よく跳ねるしな」
ジャンプすることが多いことも話された。
「そのこともな」
「トイプードルの特徴ね」
「それがよく出たな」
「そうした娘ね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「ふわりはな」
「それもいい方にね」
「ああ、だからとてもいい娘でな」
「元気で明るくて」
「頭もいいんだ」
「こんないい娘はいないわね」
「いないさ」
文太はまさにと答えた。
「少なくとも俺達にとってはな」
「そうよね」
「だからな」
それでというのだ。
「俺達はな」
「これからもね」
「ふわりと一緒にいるぞ」
「家族としてね」
「相手、家族のことを理解してな」
そうしてというのだ。
「受け入れてこそな」
「家族よね」
「そうだ、家族はな」
「そうあるべきね」
「だから今からな」
妻に優しい微笑みで話した。
「おやつやるか」
「何のおやつあげるの?」
「ガムだよ」
こちらだとだ、文太は答えた。
「犬用のな」
「それをあげるのね」
「ああ、ふわりガムやるな」
「ワンッ」
ふわりは文太に言われて嬉しそうに鳴いて応えた、そうしてだった。
文太から貰った犬用のガムに跳び付いてそのうえで嬉しそうに噛みはじめた、文太と百合子はそんなふわりを笑顔で見守った。見るからにトイプードルの彼女を。
梅雨のトイプードル 完
2024・6・23
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