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邪教、引き継ぎます
第四章
32.海底の洞窟
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た。
 骸骨三体が剣を一斉に構えた音だった。

「来るぞ」

 バーサーカーの少女がそう言うと同時に、三体が突進してきた。
 バラけて来てはくれなかった。
 三体がすべて、先頭に位置していた彼女のもとへ集まるように急襲。動きも意外に素早く、瞬時に距離を詰められてしまった。

 盾で左から来る一体の剣を受け、斧で右から来るもう一体の剣を受ける。
 しかし正面から来るもう一体の剣を受けるには腕の本数が足りない。

「う"ああっ!」

 振り下ろされた剣。シェーラはまともに肩近くから下腹部まで斬られた。
 彼女の体を覆う、緑色で薄い生地の、体に密着する服。派手に火花が散った。

 そしてダメージによりできた隙を、三体が同時に(とが)めてくる。
 一体は鋭い横薙ぎ。もう一体は大きな振り上げ。残る一体は力強い突きで。

「ああ"あああっ――!!」

 大きなあえぎ声が洞内に響いた。
 服から大きな火花を散らす。
 体を反らしながら宙を舞い、後方に飛ばされる褐色の少女。地面を何度も転がり、仰向けの状態でとまった。

「ぁ……ん……ぁ……」

 痛みに顔を歪ませながら、のたうつ。
 しかしスカルナイトの渾身の大きな動作による攻撃は、自らの隙も生じさせていた。
 さらに、想定以上の力により彼女が大きく後方に飛ばされたことは、フォルたちが味方を巻き込まずに呪文で反撃する好機となった。

「ギラ」
「ベギラマ」
「イオナズン」

 フォル、ケイラス、ダスクが、それぞれ呪文を唱えた。
 フォルは悪魔神官の杖を以前よりも使いこなせるようになっている。ギラとは思えないほどの火力が出た。

 一瞬にして、三体は灰となった。

「シェーラさん、大丈夫ですかっ」

 フォルは慌てて駆け寄った。彼女のそばには、すでにタクトがいた。

「だ、大丈夫だ。たいしたことない」

 そうは言っても……ということで、フォルとタクトは一緒に肩を貸そうとした。
 が、彼女は自力で起き上がった。
 ダメージはあるようだが、タクトの故郷で作業服として使われていたというその服は、やはり前衛として戦う彼女の体をしっかり守っているようであった。

「なぜスカルナイトさんたちが……」
「ハーゴン様が亡くなられたからだろう」

 呆然とするフォルに、ケイラスが淡々と答えた。

「この洞窟のアンデッドは、ハーゴン様の力で人間の死体より生み出されたものだ。創造主を失えば理性も失う。そう考えるのが自然だ」
「えっ、ハーゴン様が人間の死体から?」
「君はハーゴン様やハゼリオ様の近くにいた人間なのだろう? なぜ知らない」

 彼の口調は責めるような調子ではなかった。だが呆れたようではあった。

「すみませ
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