魔道車の中は密会に最適
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でよ! もしも誰かに見られても、変装のままなら『ピパン君が言ってた人物』で押し通せるけど、全然知らない女と一緒だと言い訳も出来ないじゃん! ここはグランバニア……リュカ様のお膝元だよ!? 何処から情報が入ってくるのか解らないんだから」
「し、失礼しました! た、確かにその通りですね。この魔道車って……外から中を見ようと思えば簡単に見れますもんね」
ルディーに言われ、少しだが剥がしてしまった首筋の偽物の皮膚を、手で押し付ける様に元へと戻す。
「あの人は、砂漠で見つけた一粒の砂金からだって、大規模な金鉱脈へと辿り着いてしまう事が出来る人物なんだ……どんなに注意しても注意のしすぎって事にはならないよ」
「い、言いたい事は解りますし、先程は私の不徳ではありましたが……いくら何でもルディー様はあの男を過大評価しすぎですよ」
男(?)は手元から手鏡を取り出して、少し剥がしてしまった首筋を確認しながら、上司の慎重さに呆れ肩を竦める。
「そう言うけどね……何処の世界に、殆ど名前も知られてなかった国を、これほどの大国に出来る男が居るんだい? しかも10年ちょっとでだ……いや、実質10年もかかって無い!」
「私達が物心ついた頃にはこの国は大国として知れ渡っておりました……」
男(?)は現在の状況を再確認させられ、顔を顰めながら上司へ顔を向けた。
「でしょ! あの人は少しでも過小に見るのは危険なんだ」
まるで自身を言い聞かせるかの様にルディーがリュカの存在を呟き、魔道車を再度幅広な道へと移動する。
「因みに……その姿の彼って……?」
「勿論カボチ村に存在しますよ。まだ本人も気付いてませんが、補欠合格での手続きをしてませんので、今回も入学出来ません」
「あぁ……勿体ない。折角補欠とは言え合格出来たのに……受験するんだって費用はかかるだろうに」
「彼には申し訳ないですけど、このまま数年は不合格……または手続きの失敗等でグランバニアには来れないでいてほしいですね」
「そうだね……今回彼の姿を勝手に使っちゃったからね。普通に出会っちゃって今日の事で馴れ馴れしく話しかけちゃうと、本物のカーブスンが驚いちゃうだろう……驚くだけで何も起きなきゃ良いけど、そんなワケにもいかないだろう。リュカ様の耳に情報が入ってしまえば、我が国の諜報網は再構築を余儀なくさせる……だから本当は使いたくは無かったのに!」
祖父の過剰な反応に憤りを感じつつ、その諜報員と分かれる準備に魔道車を走らせている。
「……ルディー様」
「うん」
偽のカ
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