贅沢三昧
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な気がするが……
「そう言う事ですか……ですがこの物件は手遅れですよ。全室が完売になっており、その為何処にも連絡先を置いてないんです。新築ですから出来上がる前には既に……」
そうなんですよね。しかも異常な程高級ですから、ここは止めた方が良いですよ。
「そ、そうでしたかぁ……残念だなやぁ」
おっとお国言葉が出てきてる。
何だか勝手な言い分だけども俺は落ち着いてしまう。
「しかし……部屋探しでしたら、少し……と言うよりも、かなり遅く感じますけど? 高等学校への入学の合否は3〜4ヶ月も前には出てたと思いかすが?」
「えっ! あ、あぁ……お恥ずかしい話、最初から正式に合格したのでは無くて、所謂『補欠合格』ってヤツなんです。で、ですからオラ……いえ失礼。私は今年も不合格かと思い込んでいて……最近まで何もしてなかったんですよ」
ん……“今年も”って言ったか!
如何やら全然俺等より年上説が浮上してきたぞ。
若くは見えるけど、実際は……?
「農高校……ですと、ここからは30分以上は掛かりますね。もっと近場を探した方が良いのでは?」
「いやぁ〜それは当然考えたんですが、探してる内にドンドンと離れていって……今やこの辺りを彷徨ってる始末ですわぁ(笑)」
「そうですよね(笑) 何よりこの時期であれば何処の高等学校近辺も部屋なんて空いてないですよね」
「いやぁ〜全くその通りなんですわぁ! あんまり学校から離れると、登下校がしんどくなってしまうけんなぁ……困ったもんだやなぁ」
完全に気が緩んだのか、次から次へとお国言葉が口から滑り出してくる。
「確かに学校からは近い方が好ましいですけど、この国ではそれ程不都合にはなりませんよ(笑)」
「あんや? それは一体如何言った意味ですかぁ?」
「ご存じ無さそうですね。この国には魔道車と呼ばれる凄い乗り物がありまして、中でも魔道人員輸送車と呼ばれている乗り物は公共交通機関でして誰でも格安でご利用出来る便利な乗り物なんです」
「はぁ〜……そ、そんなモンがここにはあるんですかぁ!? 是非とも一度は乗ってみたいですなぁ!」
「そんなに難しいモノじゃ無いですし、学校近辺を彷徨っていても無意味ですから、今からそれに乗って別の場所を探してみては如何ですか?」
「別の……場所……ですか。そ、そうですわなぁ……お家賃の安い物件をご存じでありましょうか?」
家賃が安い部屋をご所望なら、ここに居ても駄目だろ。
「城前地区の古い一角ですけど、一人暮らしをする事が目的の短期間(4〜5年単位)で問題ない物件なら、僕が何件か存じており
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