暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第207話:見えぬ狙い
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アリスにより、敵に与している錬金術師に関して分かった事は多い。特に彼女達が自身の肉体の、ある意味での治療を対価にジェネシスと手を組んでいると言うのであれば、それは敵を切り崩す隙となる。何しろここには、彼女達を本当の意味で治療できる可能性を持った生粋の錬金術師が居るのだから。
勿論リスクはある。特にアリスが自分達の体を改造される事になった原因と言うか遠因であると知れば、逆上して殺しに掛かってくる可能性も否定できない。それでも、対話を続ければ彼女達と和解できるかもしれないと言う事実は大きい意味を持っていた。
「とは言え、だ。分からねえのは敵の狙いだな」
解散となり、休憩スペースでベンチに座った颯人は奏や翼、ガルド達と共にドーナツ片手にコーヒーブレイクと洒落込みながら議論に華を咲かせていた。颯人の口にした疑問に、奏が紙袋からチョコソースの掛ったドーナツを取り出しながら答える。
「狙いって、例の南極の遺骸だろ?」
「じゃあ何でこっち来たんだアイツら? 遺骸はアメリカが持って行ったんだぞ?」
「俺達の排除じゃないのか?」
ガルドはシナモンがたっぷり掛ったドーナツに、これまたシナモンたっぷり入ったミルクコーヒーを飲みながら意見を口にした。実際、先のコンサート襲撃未遂では幹部が2人も投入された事に加え、練兵して戦力を底上げしたメイジまで投入してきたのだ。それだけ連中はS.O.N.G.を邪魔に思っている事の証左であり、本気で排除しようと思っている事を意味する。
だがそれで全てを納得しろと言うには、敵の動きには不可解な所がいくつか見られた。その最たる理由は、よりにもよってS.O.N.G.が真っ先に反応するだろうコンサートに狙いを定めた事である。これがそこらのアイドルコンサートやスポーツ大会の会場などであれば、まぁ分からなくはない。一度に多数の被害を出せるし、何だったら人々を攫ってサバトの生贄にする事も出来る。連中のこれまでの所業を思えば、それは決してあり得ない可能性ではなかった。
しかし…………
「あのコンサートは私と奏、そして飛び入りでマリアも居た。どう頑張っても私達の抵抗はあるし、私達に何かあれば即座にS.O.N.G.が反応する。こちらの戦力を確実に削りたいのであれば、もっと別の所に、それも同時多発的に攻撃を仕掛けた方が理に適っている……そう言いたいのですか?」
翼が抹茶ラテを手に颯人の言わんとする違和感を推測した。そう、颯人もそこが腑に落ちないのである。敵が本気でS.O.N.G.の排除を狙っているのであれば、狙うべき場所はもっと他に沢山ある。にも拘らず、敵はまるで虎児を得る為に虎穴に入る様な真似をした。
この事が颯人に拭えない違和感と不信感を与えていたのだ。
「何か別に目的があったみたいな感じ
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