暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第207話:見えぬ狙い
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アルカノイズが腕を振り下ろし、男性を分解して殺害しようとしたその時、ライドスクレイパーで接近した透がすれ違いざまにアルカノイズを蹴り飛ばして逆に消滅させてしまった。眼前に迫った死に目を瞑り頭の上で両手を合わせながら念仏を唱えていた男は、アルカノイズが消滅する際の音と衝撃に何が起きたのかと顔を上げる。

 そこで彼は、自分を守る様に立ち塞がる変身した透とクリスの姿を目にした。男はその光景に息を飲み、そしてクリスの姿を見て感動に目に涙を浮かべた。

「あ、姐さ〜んッ!!」
「ん? ゲッ!? お前らかよッ!」

 この男達は以前透の舎弟となっていた男達である。助ける事を第一に考えていたクリスはその男達が何者であるかに気付かず、今姐さんと呼ばれてやっと彼らが誰だったのかに気付いた。

「姐さん、姐さんッ!! 姐さんは正に天使だぁぁッ!」
「だぁぁっ!? そう言うの良いから早く逃げろっての!」
「2人は先に逃げましたから、あなたも早くッ!」
「えっ!? その声はもしかして兄貴ッ!」

 メイジに変身している透は仮面を被っているので顔を判別する事は出来なかったが、復活した彼の声を聞いていた男性はクリスと共に居る事でそれが透である事にすぐ気付いた。
 あの時に続いて自分達を助ける為に駆け付けてくれた透に対する、彼の感激具合は最早天井知らずであった。

「うぉぉぉぉっ! 兄貴ッ! 姐さんッ! この御恩、何とお礼を言えばいいか……!」
「だぁ、もうっ! 邪魔だっつってんのッ!」
「あっちに! あっちに逃げれば迎えの人が来てくれますから、早く!」

 透の説得もあって、男性は漸くその場から離れてくれた。これで戦いに集中できると、クリスは戦ってる時以上の疲れに大きく息を吐いた。

「ったく、もう……何だってよりによってアイツらなんだよ……」
「でも助かって良かったよ」
「そりゃあまぁ、そうだけど……はぁ」

 透は相変わらずだ。だがだからこそだとも思う。こんな彼だから自分は彼の事が大好きだし、そんな彼に愛される事を嬉しく思う。こそばゆさに明後日の方を見ながら頬を赤く染めるクリスだったが、そんな雰囲気も長くは続かなかった。

「はぁぁぁぁぁっ!」

「「ッ!!」」

 腰の後ろのコネクターにコードで繋いだ口を使い、2人に襲い掛かって来るエルザ。飛び掛かって来た彼女を2人は別々の方へと飛んで避けつつ、クリスは両手の二丁拳銃でアルカノイズを撃ち抜き透は両手のカリヴァイオリンで切り裂いていく。

 銃弾を全て撃ちきったクリスはシリンダーごと交換して銃弾を補充。そのまま迫るアルカノイズを次々と撃ち抜き返り討ちにしていくが、その最中巻き上がった砂埃を突き抜けて1体のアルカノイズがクリスに迫った。銃撃の最中、隙が出来た瞬間を
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