暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第207話:見えぬ狙い
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
れなき誹謗中傷で自ら命を絶つ者まで出てしまったのだ。奏があの時発破を掛けなければ、被害はもっと広がっていた可能性もある。

 敵がそれを狙ってコンサートを狙ったのだとしたら、これ程悪質な事はない。改めて敵の、ジェネシスの悪どさに反吐が出そうになりながら、颯人は内心で更に深いところまで推測しようとしていた。

――もし狙いがそれだとして、果たして本当に狙われてたのは奏か……それとも……――

 2人に気付かれない様に颯人が奏と翼を交互に見ていると、突然周囲に警報が響き渡った。何らかの非常事態が発生した事を知らせる警報に、颯人達はブレイクタイムを中断して発令所へと駆けこんだ。

「何事?」

 颯人が入室早々問い掛けると、あおいが現在の状況を話した。

「湾岸埠頭付近で多数のアルカノイズの反応を検知したわ」
「既に透君とクリスちゃんが現場に向かってる」

 オペレーター2人の言葉に颯人達が正面のモニターを見ると、そこでは今正に転移の魔法で現場へと向かったのだろう透とクリスが多数のアルカノイズを相手に戦っている様子が映し出されていた。




***




「Killter Ichaival tron」

 魔法でアルカノイズが出現した現場に2人が転移したのは、現在進行形で3人の暴走族風の風体をした男達がアルカノイズから追撃されている場所の上空であった。転移直後に透はメイジに変身し、クリスはイチイバルを纏って下方のアルカノイズ達へと銃撃をお見舞いした。

「ちょせぇっ!」

 二挺のリボルバー拳銃に変形させたアームドギアから何発もの銃弾が放たれ正確にアルカノイズを撃ち抜いていく。逃走する2台のバイクの内一方は2人乗りであり、そちらは危うくあと一歩のところで接近していたセグウェイに乗ったようなアルカノイズの攻撃を受ける寸前であった。

 すぐ後ろでアルカノイズが吹き飛び赤い塵となっていく様を見て、バイクを運転している方もそれにしがみ付いている方も体を打ち付ける衝撃に涙を鼻水を流しながら神に祈った。

「ひひぃぃぃぃぃっ!?」
「神様仏様ッ!? どうかお助けを〜ッ!?」

 2人は気付いていないが、その祈りは届き間一髪のところで逃げ延びる事に成功していた。

 一方1人でバイクを運転している白い特攻服を着た男性は、走行中に運転をミスりバランスを崩して転倒してしまっていた。

「うぉっ!? わぁぁぁぁぁっ!?」

 幸いな事に運転していた男性は無事だった。だが代わりに乗っていたバイクは転倒とその後にフェンスに衝突した事でスクラップと化し、もう走ることは叶わない状態となってしまっていた。
 そんな彼に追いついたアルカノイズが鉈の様な腕を振り上げる。

「ひぃぃっ!?」

 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ