第二十話 人間味その七
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「何処の誰かな」
「そうだな」
「我々でもあそこまではしない」
「というか出来ないな」
「悪意の塊だからな」
「悪意は誰にでもあるが」
ソノヤが言ってきた。
「しかしだ」
「限度があるな」
「ああした連中は悪意しかない」
「まさに悪意の塊だな」
「俺も信用出来ない」
膜インに答えた。
「全くな」
「まだ戦隊の連中の方が信用出来るな」
「むしろあいつ等は信用出来る」
ソノヤも言い切った。
「人間としてな」
「そうであるな、わらわから見てもじゃ」
有明の方も言ってきた。
「あの者達は誠実じゃ」
「そうだな」
「約束は絶対に破らぬ」
「悪意に基づいて動かないな」
「いたぶる様な真似もせぬ」
「それならだな」
「うむ、あの者達は信頼出来る」
自分達から見て敵である戦隊の面々はというのだ。
「確かにのう」
「そうだな」
「しかしじゃ」
それでもというのだった。
「やはりな」
「ダブデド達はな」
「全く信用出来ぬ、必ず寝首を掻いてくるわ」
「そういえば兄上もそこまではしなかったな」
牙鬼萬月は九右衛門のことを思い出して話した。
「色々企んでも」
「むしろ根はよかった様だな」
「ああ、策士でいてな」
牙鬼はソノヤに答えた。
「それで色々裏で動いてもな」
「それでもだな」
「まだな」
それこそというのだ。
「兄上は外道じゃなかった」
「策士であるだけだったな」
「あれで結構短気なところがあってじゃ」
有明の方はそれでと話した。
「狐狐と言うと怒ったことがあったわ」
「人間味があったな」
「うむ、外道ではなかった」
有明の方から見てもだ。
「狐、牙鬼九右衛門はな」
「そうだったな」
「しかしあの者達は違うのう」
「外道だな」
「うむ」
ソノヤにその通りだと答えた。
「まさにのう」
「俺達とあいつ等は全く違う」
「あの者達は外道であるのう」
「そうだ、外道は仲間にするとな」
「全く信用出来ぬわ」
「そうだよな、信用出来ない奴なんか仲間にしたら駄目だぜ」
アザルドもその通りだと頷いた。
「有明の方さんが言った通りにな」
「寝首を掻かれるじゃろ」
「間違いなくな」
太鼓版さえ押して言った。
「そうしてくるぜ」
「だからじゃ」
そうしてくることが目に見えているからだというのだ。
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