第二十話 人間味その五
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「若し彼等が出て来たら」
「ああ、戦隊は後回しだ」
ゼットが真剣な顔で言ってきた。
「俺はそいつ等を先に攻撃するな」
「そうされますね」
「俺は戦隊の連中は嫌いじゃねえんだ」
彼等はというのだ。
「悪いものを感じねえだろ」
「はい、全く」
「けれどな」
それでもというのだ。
「ああした連中は嫌いだ」
「裏切り弄ぶ」
「そんな趣味はないしな、というかな」
「というか?」
「幾ら力を持っていてもな」
そうであってもというのだ。
「自分より弱い奴をいたぶって面白いか」
「面白いのでしょうね、それが」
「何処がだ」
わからない、そうした言葉だった。
「一体な」
「そうだね、何かいいんだろうね」
ヨドンナも首を傾げさせている。
「以前の僕もね」
「厳しかったな」
「部下にそうだったけれど」
それでもというのだ。
「別にいたぶってね」
「楽しんでいなかったな」
「そうだったけれどね、世の中にはね」
「そんな奴もいてか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「楽しんでるんだよ」
「やっぱり理解出来ねえな」
「僕はわかる気がするよ」
プリシャスはこう言った。
「他人の命なりを握って無理強いしたりね」
「君はやっていたね」
「そうした時もあったしね」
ドルイドンにおいてそうしていた時のことを思い出しつつ話した、実は内心その時の自分を振り返り嫌悪を感じている。
「そう出来るってね」
「楽しいんだな」
「自分が偉くなった、強くなったと思ってね」
「そういうことか」
「けれどね」
それでもというのだ。
「それは実はね」
「全くだよな」
「偉いわけでも強いわけでもないんだよ」
過去の自分を振り返って言うのだった。
「これがね」
「そうだよな」
「自分より強い相手が出るとね」
その時はというと。
「もうね」
「やられるよな」
「そうだよ」
そうなるというのだ。
「僕もそうなったしね」
「リュウソウザジャーの連中にか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「ワイズルーとクレオンに助けられて」
「一旦落ち延びたな」
「そうなったよ、力なんてね」
それはというと。
「幾ら強くても」
「そんな風に使うとな」
「碌なものじゃないよ」
「そうしたことがわかってきたな、俺達も」
筋ゴグンは頷きつつ述べた。
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