第二十話 人間味その四
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「絶対にな」
「敵といえどです」
ダマラスはギルにまさにという口調で答えた。
「信頼出来るならです」
「遥かにましだな」
「誠実な敵は信用出来ない味方よりも有益です」
「全くだ、だから俺もだ」
「若しダブデドかあの輩の様な者が出て来れば」
「断じてだ」
それこそというのだ。
「仲間になりたいと申し出てもな」
「断りますね」
「そしてむしろだ」
「彼等の方を攻撃しますね」
「俺達にも何をするかわかったものじゃないからな」
「全くですね」
グリッタも言ってきた。
「信用出来ない人達とは仲良くしてはいけません」
「利用されるだけですからね」
「はい、皆さんの様にです」
グリッタはインサーンの言葉に頷いてさらに述べた。
「信頼出来る方々ならいいですが」
「私も信頼出来ますか」
「インサーンさんは人を裏切りますか?」
「地位は欲しいですよ」
インサーンは笑って答えた。
「そちらは。ですが裏切ってまではです」
「そうですね、ですから」
そうした考えだからだというのだ。
「この場所にいられますね」
「左様ですね」
「私利私欲で平気で人を裏切るなら」
そうした輩はというと。
「何があってもです」
「信用出来ませんし」
「仲間に出来ません」
「全く以てですね」
「悪党には悪党のルールがあるよな」
メドゥが言ってきた。
「やっぱりな」
「それぞれの世界のですね」
「ああ、闇にあっても宇宙征服を考えていてもな」
「やはり越えてはならない一線があり」
「自分だけの為に平気で裏切ったりな」
「命を嗤いながら弄ぶなら」
「俺達の世界でもな」
メドゥはギャンングラーの者として言った。
「流石にな」
「一緒にいられないですね」
「ああ、仲間に出来ないさ」
「俺達にもルールがあるんだ」
ヤーブンも言ってきた。
「悪党って言われてもな」
「はい、ルールはあり」
「モラルがあるんだよ」
「私達なりの」
マッジョが応えた。
「左様です」
「裏切りだの命を弄ぶなんてな」
「絶対に許されません」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「バスコとかな」
「ダグデドといった者達は」
「一緒にやっていけねえ」
「むしろ敵とすべきですね」
「手を結んでいい相手と悪い相手がいるんだ」
ヤーブンは確かな声で言った。
「本当にそうした連中とはな」
「手を結ぶべきではありません」
「絶対にな」
それこそというのだ。
「そこは言うぜ」
「全くですね、しかしです」
グリッタはヤーブン達の話を聞いてからあらためて言った。
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