激闘編
第八十九話 ヴィーレンシュタイン追撃戦
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宇宙暦795年10月3日02:00
フォルゲン宙域、フォルゲン星系、自由惑星同盟軍、第九艦隊旗艦グラディウス、
ヤマト・ウィンチェスター
「副司令とバルクマン准将に連絡、一時後退して陣形を再編せよ。参謀長、本隊は前進、近接戦闘用意、空戦隊を出せ」
「了解しました!」
メルカッツ艦隊はやはりしぶとい。大体、ラインハルトとメルカッツの組み合わせなんてとんでもない!ヤンさんとビュコック爺さんがタッグを組んだのと変わらん!…ラインハルトはまだヤンさんを探しているかな、奴が戻って来るまでに何とかしないと…ヤンさんがもうこの星系に居ないって知ったら…金髪さん、怒るだろうな…。
「ボーデンより入電です、帝国軍の主力は撤退を開始したそうです。此方の主力も態勢が整い次第追撃を開始するとの事です。第十三艦隊、間に合った様ですね」
「はあ、よかったよかった…って、帝国軍を追撃するのか、ボーデンの連中は」
「は、はあ、詳細は解りかねますがその様です」
追撃だって?…艦隊司令官達の中からそういう声が出たんだろう。戦闘が中途半端だったか、グリーンヒルのとっつぁんが指揮官達を抑えきれなかったか…あるいはその両方か…。追撃などしても無駄だろう。追撃を行うという事は戦果不充分だったって事だ。という事は帝国軍は余力を持って撤退を開始した事になる、当然追撃への備えはあるだろう…というか、まだ此処では戦っているんだぞ!
「敵も空戦隊を出撃させた模様!…小型艦艇と思われる目標、多数が突撃してきます、単座戦闘艇ではありません!」
恐怖からか、オペレータの声が裏返っている…小型艦艇?そうだ、メルカッツにはこの戦法があった!
「本隊全艦に通達、敵は宙雷艇による近接攻撃を仕掛けてくる、本隊所属の駆逐艦に自由戦闘を許可する」
宙雷艇…駆逐艦と単座戦闘艇の中間くらいの大きさで、機動性に優れていて主に実体弾による近接攻撃を得意とする帝国軍独自の特殊艦艇だ。防御力は無いに等しいけど、近接攻撃の威力は単座戦闘艇とは比べ物にならない。
「参謀長、空戦隊への命令変更、艦隊の防空に専念させるんだ」
一本取られたな……。
帝国暦486年10月3日02:30
フォルゲン宙域、フォルゲン星系、銀河帝国、銀河帝国軍、メルカッツ艦隊旗艦ネルトリンゲン、
アーダルベルト・フォン・ファーレンハイト
「閣下、敵本隊の前進が止まりました。我が方に向かっていた敵空戦隊も引き返しつつあります」
「よし。参謀長、此方も一旦両翼を下げて再編成を行わせよう。本隊はこのまま戦闘続行だ」
「はっ!…両翼は随時後退して再編成、空戦隊は引き続き艦隊防空に専念せよ。本隊所属の各分艦隊は交互に斉射を行え。敵に息つく暇を与えるな!」
深く頷くメルカッツ提督の姿が視界の隅に入
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