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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第八十九話 ヴィーレンシュタイン追撃戦
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のか、参謀長。ミューゼル艦隊はフォルゲンにいる筈だが…」
「隙をみてヤン提督がフォルゲンから此方へ転進しているのです。此方がそれが出来るのなら、帝国軍も同様でしょう」
「確かにそうだな…しかもハーンからも敵が来るとは…」
「第一艦隊はどうなさいますか?」
「クブルスリー提督には急ぎアムリッツァに戻って貰おう。今頃はヤン提督もアムリッツァだ、失陥だけは避けられるだろう。基地のキャゼルヌと話したい。超光速通信(FTL)を」

「了解致しました」

“大変な状況になってしまいましたな”

「うむ。キャゼルヌ少将、アムリッツァの状況だが…」

“ウランフ閣下からも連絡を頂きました。現在、民間人の山間部への疎開準備を進めています”

「了解した。済まないな。現在クブルスリー提督の第一艦隊をそちらに向かわせるところだ。それに、第九艦隊の支援に第十三艦隊がアムリッツァ経由でフォルゲンに向かっている。今頃はアムリッツァに居る筈だ。うまく行けばヤン提督が駐留艦隊を援けてくれるだろう。間に合うといいのだが」

“閣下はどうなさるのです?”

「此処で追撃部隊の帰還を待つ。彼等を抑えられなかったのは私の責任だからな」

「…了解しました。此方も最善を尽くします」


10月4日19:00
アムリッツァ宙域、アムリッツァ星系、自由惑星同盟軍、第十三艦隊旗艦ヒューベリオン、
ヤン・ウェンリー

 「イゼルローン駐留艦隊旗艦、バン・グーの反応が無い、とオペレータが言っています……残存艦艇の収容を行いますか」
報告するグリーンヒル中尉は青ざめている……。
「…了解した。参謀長、第一艦隊が到着するまで此処に留まる。フォルゲンも心配だが、我々が去った後あの艦隊が引き返して来ないとも限らない」
「はっ」
我々の艦隊を確認し、後背を突かれると思ったのだろう、帝国艦隊はハーン方向に後退していった。それはそうと、追撃部隊はひどい目に遇ったらしい。第二艦隊は壊滅状態、第四艦隊も損害が残存艦艇の八割に達し、第三艦隊はミューゼル艦隊と反転したギースラー艦隊との挟撃に遇ったものの第十艦隊が割って入り、命からがら撤退したという…。

 「やれやれ…我々が撤退してボーデンに向かった様に、ミューゼル艦隊も撤退してヴィーレンシュタインに向かったのか…しかし、とんでもないな、ミューゼル艦隊は。ウィンチェスター提督が高く評価するのも頷けるよ」
「ですが、フォルゲンではそうではありませんでしたが」
「状況が違うよ参謀長。フォルゲンでは我々に地の利があった。それにミューゼル中将にとっては自分が敗れた艦隊との再戦だ、慎重になりすぎたのだと思う。今思えば、彼等が機雷原を全て爆破してもおかしくはなかった。そうなれば敗れていたのは我々だっただろう。ボーデンでは
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