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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第八十九話 ヴィーレンシュタイン追撃戦
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た。グリーンヒルと共にフォルゲン宙域にて待機するという…何が良識派だ、良い子ぶっているだけの意気地無しではないか!

“何があるかは分からない、それにフォルゲンではウィンチェスター提督がまだ戦闘中だ。アムリッツァから離れ過ぎるのは得策ではないと思うが”

そうやって耳障りのいい事ばかり言っているから敵に付け入る隙を与えるのだ。
「閣下!」
「どうした、タナンチャイ参謀長」
「後方の第二艦隊が襲われています!」
「何だと?何かの間違いではないのか」
「間違いではありません!救援要請の矢の様な催促です!」
「…第三艦隊に通信をとれ!」

“丁度よかった、パストーレ提督。後方の第二艦隊から救援要請が来ている”

「此方もだ。どうする?」

“救援に向かわねばなるまい、残念だが”

「…大魚を逃すのは惜しいが、仕方なかろう。だがこのまま無秩序に反転しては追撃中の帝国軍から逆撃を被る恐れがある。貴官が先に向かってくれ。私が殿を務めよう」

“了解した”

全く、パエッタの奴…手間を掛けさせおって、カイタルに戻ったら二杯、いや三杯は奢って貰わねばな…。
「後方、五時方向、高熱源発生!攻撃来ます!」
何だと!?バカな、早すぎる!


10月4日10:30
アムリッツァ宙域、アムリッツァ星系外縁部(ボーデン方向)、銀河帝国軍、クライスト艦隊旗艦スノトラ、
クライスト

 「十二時方向の叛乱軍艦隊、規模一万、距離十光秒」
ミューゼルの依頼のというのは癪だが、主力の撤退援護の為だ、やってやるさ…敵は居ない?いるじゃないか。ハーンに向かえと言われて正直腐っていたが、残り物には福があるというのは本当だったな!
「全艦、砲撃戦用意!」



10月4日12:00
アムリッツァ宙域、アムリッツァ星系外縁部(ボーデン方向)、自由惑星同盟軍、イゼルローン要塞駐留艦隊旗艦バン・グー(盤古)、
ウランフ

 「閣下、帝国艦隊、三時方向!規模一万五千隻、至近です!」
「まさかハーンからとはな…全艦、右九十度回頭、砲撃戦用意」
帝国軍主力の撤退の為にハーンまで出張ったというのか…?
いや、此方の隙をみてアムリッツァに侵入する手筈だったという事か……。
「帝国艦隊、旗艦照合…戦艦ノストラ、クライスト艦隊です!」
「クライスト…イゼルローンの借りを返しに来たという事か……撃て!」



10月4日12:50
ボーデン宙域、自由惑星同盟軍、アムリッツァ方面軍総旗艦ペルクーナス、
ドワイド・D・グリーンヒル

 「ヴィーレンシュタインの状況ですが、第二艦隊壊滅、第四艦隊が残存艦艇の内、八割の損害を出して撤退しつつあります。殿として第三と第十艦隊が現在交戦中です」
「全てミューゼル艦隊の仕業だという
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