激闘編
第八十九話 ヴィーレンシュタイン追撃戦
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ュタインに向かうのだ。饒回運動の結果、卿の艦隊はすぐにこの宙域を脱する事が出来る。僥倖だな”
「ですが、閣下の艦隊単独では…ヤン艦隊の居場所もまだ不明です」
“なあに…所在不明の敵など居ないのと同じだ。警戒さえ怠らなければ如何様にも出来る…主力が撤退となれば、我々もそのうち撤退となるだろう。卿が先にこの星系を出るだけの事だ。分が悪ければ、我々も後退しすぐに後を追う。さあ、行くのだ”
…あと二時間もすればヴィーレンシュタイン宙域に入る。距離、時間的に、我々の艦隊はおそらく叛乱軍艦隊の後方に出る筈だ。そのまま叛乱軍を急襲し、主力の後退を容易ならしめる。
「叛乱軍め、よもや真後ろから頭を叩かれるとは思うまい。フォルゲンの失態はヴィーレンシュタインで取り返す…そうだ、ハーンのクライスト閣下に超光速通信を」
”どうしたのだ、ミューゼル中将“
「はい。閣下もボーデンの主力が撤退しつつある事はご存知かと思いますが」
“うむ。残念な事だ。ハーンに着いたばかりでこんな事になるとはな”
「小官も同じ思いです。ですが、メルカッツ提督と相談の上、多少の悪あがきをする事にしました」
“ほう。何を企んでいるのだ?”
「はい。小官の艦隊はまもなくヴィーレンシュタイン宙域に入ります。叛乱軍の追撃部隊に一泡吹かせようとしているところでして」
“そうか。ミュッケンベルガー閣下はご存知なのか”
“いえ。メルカッツ提督と小官の独断です。その方が奇襲効果は大きいと思われますので”
“確かにそうだ…だが中将、ただそれだけを伝えるためにわざわざ通信を行った訳ではあるまい?”
「はい。閣下の艦隊でアムリッツァ宙域に侵入して頂きたいのです。おそらくアムリッツァに残る敵は少数でしょう。獲物としては小さいかも知れませんが、叛乱軍に与える衝撃は小さくない筈です」
“なるほどな。という事は早い方が良さそうだ。直ちに行動を開始する。アムリッツァを占拠するのか?”
「いえ、そこまでは難しいと思います。一個艦隊では占拠は出来ても維持出来ません。叛乱軍の軍事施設の破壊、に留めた方が宜しいかと」
“一戦して敵の心胆寒からしめる、という訳だな、了解した”
「宜しくお願いします」
10月4日09:15
ヴィーレンシュタイン宙域、ヴィーレンシュタイン星系外縁、自由惑星同盟軍、第四艦隊旗艦レオニダス、
パストーレ
ようやく追い付いた、あと三十分もすれば長距離ビームの射程距離内に捉える事が出来る。私、パエッタ、そしてルフェーブル…ミュッケンベルガーを倒し、同盟軍の三英傑として名を馳せるのだ……チュンもいたな。まあ奴はウランフの子飼いだが、席を分けてやる事にするか。クブルスリーは来なかっ
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