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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその二十三

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「よく批判されるな」
「現場への政治介入だと」
「それを助長するものだと」
「そして作戦にも支障をきたす」
「そう言われていますね」
「そうだ、だが作戦なぞだ」
 ジャバルは素っ気なく言った。
「確かな戦略の下に動けばな」
「問題ないですね」
「それならば」
「戦略さえしっかりしていれば」
「それならばですね」
「現場は所詮戦略の筈だ」
 ジャバルは何でもないという口調で言った。
「そうだな」
「はい、戦略がしっかりしていますと」
「戦術は問題ない」
「そう言われていますね」
「軍事学では」
「そうだ、戦略は私にある」 
 ジャバルはそれは自分の頭の中にあると言い切った、それは何の迷いもなくかつ動じることもない言葉だった。
「確かなものがな」
「マウリアを発展させるそれが」
「既にありますね」
「副主席の中に」
「左様ですね」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「戦術なぞかえってだ」
「邪魔ですね」
「現場の判断なぞ」
「左様ですね」
「軍人達の仕事は命令を聞くことだ」
 ジャバルは断言した。
「それ以外のことはだ」
「する必要がないですね」
「戦闘の時でも」
「副主席の戦略に従う」
「それだけでいいですね」
「他はいらない、まして兵器は連合からだ」
 この国からというのだ。
「購入するかだ」
「ライセンス生産ですね」
「それを行いますね」
「連合からその権利を手に入れ」
「そうしますね」
「そうする、ライセンス生産は軍需産業の育成と発展にも必要だ」
 だから行うというのだ。
「それはな」
「はい、軍事技術も必要です」
「それがそのまま国防になります」
「優れた兵器を多く揃えることも」
「そして常に技術を持っていることも」
「必要だ、軍需産業は実入りは少ない」
 それが生み出す利益は少ないというのだ、連合でよく言われていることであるが事情はマウリアでも同じであるのだ。
「どうしてもな」
「設備と技術への投資は膨大で」
「かなりの予算を必要としますが」
「市場は限られています」
「どうしても」
「軍位しか売る相手がいない」
 兵器はというのだ。
「銃位なら一般市民にも売れるがな」
「しかしですね」
「かなりの設備と技術の投資を必要とする艦船や艦載機は」
「地上車両にしても」
「大砲やミサイルも」
「全て予算はかなりのものになるが」
 しかしというのだ。
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