第38話
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その後ニナからの依頼についての話を聞き終え、ニナの依頼を請ける事を決めたヴァンは事務所前でアニエスに明日の予定について伝えていた。
〜アークライド解決事務所〜
「そんじゃあ、明日の夜7時にな。」
「はい、今度はきちんと周囲に伝えておきますので。フェリちゃん、アーロンさんも今日はお疲れ様でした。」
ヴァンの言葉に頷いたアニエスはフェリとアーロンに声をかけた後寮に帰るためにその場から去って行った。
「んで、フェリはともかくお前もついてくるってか?」
アニエスが去った後ヴァンは若干呆れた様子でアーロンに確認した。
「たりめーだろ?あんな話を聞いちゃあなァ。」
「わたしは言わずもがなですっ。」
ヴァンの確認に対してアーロンは笑顔で答え、フェリは真剣な表情で答えた。
「やれやれ…………ま、確かに気になる依頼だしな。カルバード南東――――――”サルバッド”か。」
二人の答えに苦笑を浮かべたヴァンはニナの依頼内容について思い返した。
〜数時間前〜
「映画祭、ですか…………?」
「毎年、北のメッセルダム市で行われてるヤツだな。二ヶ月前くらいのテロ予告で今年は中止になったって聞いたが。」
「いえ、それとは別のものでして。中東の”エルザイム公国”の後援で今年から新たに開催されるものです。名前は”サルバッド映画祭”―――――主催は”ベガスフィルム”となります。」
「そうか…………噂は聞いちゃいたが。」
「確かド派手な映画を立て続けにヒットさせてる映画会社だったか?なんちゃらゴッチとかいうえらく濃い監督が仕切っている。」
ニナの話を聞いたヴァンは頷き、アーロンは自身が知っている知識を口にして確認した。
「あ、たしか『ゴールデンブラッド』の…………!」
「ええ、新興の映画会社ですけど大手に迫る勢いみたいですね。エンターテインメント性重視で…………ちょっと表現も過激っていう。」
アーロンの話を聞いて以前目にした映画を思い出したフェリの言葉に頷いたアニエスはあることについても思い出し、僅かに複雑そうな表情を浮かべた。
「クク、ネンネだねぇ。完全版(R17)とか見てみろよ。」
「わ、私は16ですから!」
「あーるじゅうなな?」
アーロンのからかいにアニエスが頬を赤らめて反論した後アーロンの言葉の意味がわからなかったフェリは首を傾げた。
「ま、ほぼ専属の売れっ子監督、サルバトーレ・ゴッチの手腕だな。すると実質ベガスフィルム関係の受賞で独占って感じかね?」
「いえ――――――そこは完全にフェアにというのがゴッチ監督の意向だそうです。エンターテインメント作品寄りですけど招待されている監督
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