第38話
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眠れば醒めるから。それに、酔っぱらいの醜態は何度も見てるしね。サラと同じ轍は踏まないつもり。」
「あはは………サラさんには絶対に聞かせられられない言葉だね…………」
「サラっつうと…………ああ、”紫電”か。お前さんと同じく元猟兵にしてA級遊撃士――――――そんで、あの”Z組”の関係者で最近では北の猟兵の残党とメンフィル帝国を和解させたらしいな。」
「ふふ、裏解決屋さんなら当然それくらいは知ってるか。かつてのわたし達の担当教官で、今じゃ恩師であり相棒…………みたいなものかな。成人した時にリィンやラウラたちも含めて飲んだ初めてのお酒も、美味しかったな…………」
ヴァンの話を聞いたフィーは苦笑した後初めての酒を飲んだ時の事を思い返した。
「恩師であり相棒、か…………」
「そっちにもそういう人がいたよね?」
ヴァンの様子を見て何かに気づいたフィーはヴァンに訊ねた。
「まあな…………相棒のほうじゃねえが。縁に恵まれて今があるって意味じゃお前と似たようなものかもしれねえ。ま、そっちも知ってるかもしれねえが結局は途切れちまったんだが。」
「あ…………そういえばヴァンさんの”恩師”って確か…………」
「…………そうだったね…………」
僅かに寂しげな笑みを浮かべて答えたヴァンの話を聞いて”ヴァンの恩師が誰であり、その人物は既に故人である事”を思い出したアネラスは気まずそうな表情を浮かべ、フィーは静かな表情を浮かべて黙り込んだ。
「俺の話はさておき――――――聞きたいことは他にあるみたいだな?俺がこの店の常連なのを見越して、わざわざ待ち伏せしていた以上は。」
「そ、そこまで気づいていたんですか…………」
「フフ、本当にさすがだね。――――――カルバードに来る直前くらいかな、ジンから連絡があったんだ。クレイユ村であったことについて。貴方や、昼に記念公園に来てた………”戦士団”の子も居合わせたんだってね?」
ヴァンの指摘にアネラスが驚いている中目を丸くしてヴァンに感心したフィーは表情を引き締めてクレイユ村での出来事――――――アイーダ達の件についてヴァンに確認した。
「ああ――――――当然、お前さんには聞く権利があんだろ。かいつまんでにはなるが話させてもらうぜ。」
ヴァンはクレイユ村であったことや、アイーダのことについて…………ゲネシスの話などはうまく誤魔化しながらフィーとアネラスに話した。
「…………そっか、アイーダ…………団にいた頃も、面倒見が良くて姉御肌の”強い”人だった。わたしにとっても本当の姉みたいに…………きっと、嬉しかったと思う。もう一人の妹分もそうだけど、かつての”戦友”に見送ってもらえて。」
「フィーちゃん…………」
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