第38話
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」
(!ヴァンさん…………!)
出張関連の報酬等を全てポケットマネーから出すと口にしたニナの話を聞いたフェリとアーロンが感心している中ヴァンが依頼を請けるかどうか考え込んだその時、ゲネシスに反応し始めたことに気づいたアニエスが小声でヴァンに声をかけた。
(あ………!)
(そいつは…………)
「?えっと…………?」
ゲネシスの反応を目にしたフェリとアーロンが真剣な表情を浮かべている中、映像越しであるため何が起こっているのかわからないニナは困惑の表情を浮かべた。
「ああ、こっちの話だ。――――――流石に急すぎるから予定を確認して折り返させてもらう。できればこういった話は余裕をもって相談してほしいモンだがな。明後日にはサルバッド入りとなるとどうしたってドタバタしちまいそうだ。」
「ふふ、すみません。何分お会いできたのが決め手でして。そうだ、急な依頼のお詫びも兼ねて、もし引き受けてくださるのならですが…………現地の六つ星ホテル”アルジュメイラ”の限定スイーツをご馳走させてください。」
「…………ほう。参考までにそれはどんな代物だ?」
ニナの申し出を聞いてこの後の展開を悟った助手達がそれぞれ苦笑を浮かべて互いの顔を見合わせている中、ヴァンは真剣な表情を浮かべてニナに訊ねた。
「”メルフィータ”っていう、ラクダのミルクを使ったショコラです。これまた貴重な”生カカオ”と一緒に練り合わせているらしくて。官能的なほど独特で濃厚な甘みが舌の上でまろやかに広がって――――――」
「―――――ああ分かった、十分だ。明日までには必ず連絡する。前向きに検討するから待っててくれ。」
ニナの解説を途中で打ち切らせたヴァンは笑顔を浮かべて答え、ヴァンの様子にアニエス達はそれぞれ冷や汗をかいて苦笑していた。
「ふふ、ディンゴさんのアドバイスが早速役に立ったみたいですね。――――――それではお待ちしています、アークライドさん。」
ヴァンの表情と答えにニナは微笑みながら答えて通信を切った。
〜現在〜
「ま、てめぇのチョロさはさておき。俺達もサルバッドは初めてだし、姉貴達共々せいぜい楽しみにしておくぜ。」
「わたしは行ったことがあるのでちょっとは案内できると思いますっ。」
「ま、ついてくるのはいいが片付けるモンは片付けとけよ。フェリーダは日曜学校、お前も”再交付”があんだろうが?マルティーナは旧首都に来た翌週には”再交付”を受けたと聞いてるぞ。」
「そうでした、数学の宿題もちゃんと終わらせないと…………」
「そのつもりだったが微妙にダリーな。数日くらいなら無免でもいんじゃね?」
ヴァンの指摘にフェリとアーロンはそれぞれ嫌なものを思い出したか
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