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八条学園騒動記
第七百五十六話 無法地帯だとその一

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               無法地帯だと
 テンボとジャッキーは外縁部と呼ばれた地域についてだ、エイミーの話を聞いたうえでこんなことを言った。
「法律がないとかな」
「酷いわね」
「じゃあ誰が悪い奴を裁くんだ」
「あれかしら」
 ジャッキーはここでこう言った。
「マイケル=ハンガーみたいね」
「ああ、マイク=ハマーか」
 ダンはその名前を聞いて彼だとわかった。
「あの悪人を自分で殺す」
「そう、推理をしてね」
「推理よりも動いているな」
「頭いいけれど」
 ジャッキーはダンにそれでもと話した。
「考えるよりもね」
「動くな」
「そしてその中でね」
「バトルが多いな」
「そんなワイルドな探偵よ」
「出て来た時は大騒ぎになったな」
「殺し屋みたいだってね」
 そこまで暴力的だとみなされていたのだ。
「それでよ」
「大騒ぎになったな」
「あとね」 
 ジャッキーはさらに言った。
「棺桶エイトと墓堀りジョーダンに」
「エドとジョーンズか」
 またダンはすぐにわかった。
「その二人か」
「そう、その二人もね」 
 ジャッキーは自分の言い間違いに気付かずさらに言った。
「そうしたタイプよ」
「犯人を撃ち殺すな」
「捜査途中でもね」
「そうしているな」
「法律がないなら」 
 それならというのだ。
「もうね」
「探偵もだな」
「そうするしかないでしょ」
「全くだ」
 テンボも難しい顔で語った。
「俺達の流儀じゃないな」
「そうよね」
「俺達は犯人を見付けたらな」
 その時はというのだ。
「後はだ」
「法律に委ねるからね」
「俺達は法治主義だ」
 ダンは言い切った。
「犯人を殺すなんてだ」
「しないわよ」
「暴力自体な」
「振るわないしね」
「ホートケーキさんはボクシングをしているが」
 ホームズのことである。
「しかしな」
「それでもね」
「自分からはね」
 決してとだ、エイミーに話した。
「振るわないわ、そして法律はね」
「守るわよね」
「絶対にね、ハンマーだってね」
 マイク=ハマーのことである。
「最後悪人を殺すけれど」
「それでもよね」
「それも法律に添ってるのよ」
「法律の中でやり過ぎよね」
「そうであってね」
 これは当時のアメリカの法律である、尚この時代からアメリカは各州の法律が存在し極めて強い強制力を持っている。
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