第百三十一話 悪魔がいないその十
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「そうだしね」
「ちゃんとして欲しいわ」
「絶対にね、それでその狂犬病になった人がね」
「実は人狼だった」
「その場合もあったみたいよ」
本物以外にというのだ。
「それでむしろこっちの方がね」
「怖かったのね」
「化け猫だってね」
一華は日本のこの妖怪の話もした。
「実はね」
「狂犬病ね」
「その説があるのよ」
「本物以外にも」
「この学園にも化け猫のお話あるけれどね」
「二本足で歩いたりしてるのよね」
「和服着てね」
「そっちの化け猫は怖くないわね」
「ただそれだけだしね」
二本足で歩いて和服を着ているだけだというのだ。
「人の言葉喋るだけで」
「怖くないわね」
「ケット=シーもいるみたいだし」
イギリスの妖精である。
「あの長靴を履いた猫」
「そっちもいるわね」
「正直同じでしょ」
一華は化け猫とケット=シーについてこうも言った。
「どっちもね」
「別に怖くないわね」
「どっちかっていうと愛嬌のある」
「そんな妖怪よね」
「ええ、妖怪もね」
「悪いことしないとね」
「別にいいわよ」
問題なしというのだ。
「これといってね」
「人狼も吸血鬼もね」
「ええ、ただね」
一華はこうも言った。
「そのハンガリーのね」
「バートリー=エリザベートさんね」
「この人のお話が万が一本当なら」
「吸血鬼でなくてもね」
「とんでもないわよ」
それこそという言葉だった。
「無茶苦茶過ぎて」
「おぞましい何かよね」
「そうなってるわ」
「そうよね」
「妖怪じゃなくて」
一華は考える顔で話した。
「バケモノかしら」
「バケモノ?」
「怪物?兎に角ね」
「人でも妖怪でもない」
「そうしたね」
かな恵に話した。
「別の何かでしょ」
「人間って何かってね」
富美子はこう言った。
「心がね」
「人間なら」
「それでね」
「人間になるのね」
「だから身体が人間でも」
「心が人間じゃないと」
「もうね」
それこそというのだ。
「その時点でね」
「人間じゃないのね」
「だから吸血鬼でも」
「それで人狼でも」
「人間の心だとね」
それを持っていると、というのだ。
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