第二章
[8]前話
「僕卒業して大学に進んでもアルバイト続けるよ」
「お化け屋敷で」
「うん、バイト代もいいし」
笑顔で言うのだった。
「仕事の後でスナックもいいしテーマパークの中で遊べるし」
「だからなのね」
「大学に入っても」
それからもというのだ。
「続けるよ」
「私もよ、私も大学進学するけれど」
「アルバイトはだね」
「お化け屋敷でね」
今アルバイトをしているその場所でというのだ。
「続けるわ」
「じゃあこのまま付き合っていこう」
「そうしましょう、ただ卒業祝いにね」
愛美は笑顔でこうも言った。
「私達もお化け屋敷入る?」
「お客さんとして」
「そうしてみる?」
「いいね、バイトしてるところに行くのもね」
「面白いわね」
客としてだ、そして実際にだった。
二人はそれぞれの高校を卒業したお祝いのデートでテーマパークを巡りその中でお化け屋敷も入ったが。
二人はこの場所を働いているだけあってよく知っていて怖いと思わなかった、だがお化け屋敷としては最高の雰囲気だと思ってだ。
「よかったね」
「そうね、じゃあまたね」
「一緒に入ろう」
「お客さんとしてね」
二人で笑顔で話してデートを続けた、二人は大学に入ってからもお化け屋敷でのアルバイトを続け交際もそうしていってだった。
それぞれ就職してからも交際してやがて結婚した、学は入籍した後で愛美に対してこんなことを言った。
「お化け屋敷で知り合って」
「一緒に働いてね」
愛美も確かにと応えた。
「それで距離が縮まって」
「付き合う様になって結婚したから」
「私達にとってお化け屋敷は縁結びの場所ね」
「よくお化け屋敷で一緒にいて吊り橋効果でとは聞くけれど」
「私達は一緒に働いて」
「こうしたこともあるんだね」
「そうね」
こうした話をしたのだった、そしてだった。
二人は夫婦で暮らしはじめた、それからもテーマパークそのお化け屋敷にも行った。子供が出来てその子供が成長して自分達が歳を取ってもそうした。そこが二人の思い出の場所なので。
お化け屋敷からはじまる恋 完
2024・6・19
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