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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその二十

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「まだ不十分だ」
「はい、軍隊です」
「軍を掌握することも必要です」
「我々は軍隊は持っていません」
「アウトカースト層は」
「軍を持たない権力は絵に描いた餅だ」
 それに過ぎないとだ、ジャバルは看破した。
「如何にそれげ気高くだ」
「立派な理念でも」
「そして優秀な人材がいようとも」
「それでもですね」
「武力がなくてはだ」
 この力を掌握していなくてはというのだ。
「何かあるとだ」
「追われますね」
「失脚してしまいますね」
「武力によって」
「そうなってしまいますね」
「そうした話は実に多い」
 人類の歴史においてというのだ。
「逆に武力を持っていてだ」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「権力を持った例も多いですね」
「実に」
「サハラを見るのだ」
 この地域をというのだ。
「有能な為政者も多く出たな」
「はい、星の数程」
「千年の戦乱の歴史で多く出ました」
「ですがそれでもです」
「軍事力を掌握していない」
「それで滅んできました」
「クーデター、暗殺とあるが」
 その過程はそれぞれだがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「軍事力を持たず失脚した」
「そうした人物は多いですね」
「あの国では」
「何故連合やエウロパが長く続いているか」
 この国々がというのだ。
「連合は確かに軍の地位は低いが」
「それでもですね」
「中央政府が権限が弱くとも続いたか」
「それはですね」
「各国軍の国家元首より上位の軍事権を持っているからだ」
 だからだというのだ。
「有事の際にはな」
「非常大権を出してですね」
「そして各国軍も指揮出来ます」
「各国の国家元首に対しても上位で」
「それが出来ますね」
「それでだ」
 こうした軍事権を持っていて各国軍も掌握出来るからだというのだ、これが実際に中央政府の伝家の宝刀になっている。これまで抜かれたことのない宝刀であるが。
「あの国もだ」
「今もですね」
「国として存在していますね」
「軍事権を持っているからこそ」
「中央政府が掌握しているので」
「エウロパは尚更だ」
 この国はというのだ。
「元帥は元帥府を開けるが」
「それでもですね」
「あの国は中央集権国家です」
「元帥府の人事に総統は自由に介入出来ます」
「また元帥府の解散権も持っています」
「そして軍は相当の強い指揮下にあります」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
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