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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその十九

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「しかしそれでもな」
「今ここにおられることを選ばれましたね」
「マウリアに戻られ」
「マウリアを変革する」
「その道を選ばれましたね」
「その通りだ、この国から逃れることはだ」
 連合に入ってというのだ。
「別の地でどんなものを手に入れてもな」
「それでもですね」
「それは真に何かを得たことではない」
「左様ですね」
「マウリアに不満を感じて逃げたなら」
「それならば」
「私はマウリアに不満を持っていたしだ」
 それにという言葉だった、ジャバルは今自分が生まれてから今に至るまで見てきたものを思い出しながら話した。
「それは今もだ」
「アウトカースト層を疎外するこの国を」
「それに対してですね」
「アウトカースト層として」
「そうなのですね」
「そうだ、それでマウリアから逃げたならだ」
 連合に入ってそこで生きればというのだ。
「不満をなくせない、そしてマウリアもだ」
「変わることはないですね」
「それでは」
「どうしても」
「そのことに気付いた、だからマウリアに戻り」
 連合を時間をかけて見たその旅からだ。
「そうしてだ」
「アウトカースト層の政府に入られましたね」
「そうしてその主席となられ」
「それからでしたね」
「二つの政府を統一させた」 
 本来のマウリア政府とアウトカースト層の政府をだ。
「そして私自身はだ」
「副主席です」
「やがてはこの国の主席になられる」
「その立場に就かれています」
「そうなった、後は主席に就任する」
 現主席であるクリシュナータの次にだ。
「そこからはじまる」
「我々の革命は」
「本格的にそうなりますね」
「その時こそ」
「左様ですね」
「そうなる、優秀な人材とだ」
 それに加えてというのだ。
「いいな」
「はい、さらにですね」
「我々はですね」
「優秀な人材と同じだけ重要なものを得るべきですね」
「何があろうとも」
「武力だ」
 ジャバルは強い声で言った。
「それをだ」
「得るべきですね」
「革命を成し遂げたいのなら」
「それならですね」
「武力もですね」
「手に入れるべきですね」
「武力は必要だ」
 何があろうともというのだ。
「我々は警察は持っている」
「はい、そちらは」
「そちらの武力は持っています」
「カースト層の警察とも統合し」
「そのうえで」
「それだけで大きい、しかしだ」
 警察は持っている、だがそれでもというのだ。
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