第二章
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「そうなりました」
「占い師にも受け持ちの場所なんてあったのかよ」
「あるんです、これが」
「好きな場所で経営とかできないんだな」
「それは無理ですから」
「何かその辺りは他の仕事と変わらないんだな」
話を聞いてだ。俺はつくづく思った。このことを。
「占い師も色々足枷があるんだな」
「あります。それで、ですけれど」
「ああ、占ってくれるか?」
俺はあらためてその人に言った。その人は占い師の席の前に座っている。その席には空いている椅子が一つある。そこに座れってことなのはわかる。
「それじゃあな」
「ではどうぞ」
「ああ、じゃあな」
こうして俺はその席に座って占い師と向かい合うことになった。ところが。
占い師の人は顔をあげてきた。これがだった。
帽子から出ている髪は鴉の濡れ羽色で腰まである。鼻は高くて日本人離れしている。目は切れ長で睫毛が長い。奥二重がいい感じだ。その上にある眉は細くて奇麗なカーブを描いている。
頬は白くすらっとしている。唇は紅で小さい。顎は先が少し尖っている。しかも傍にいるだけで滅茶苦茶いい香りがする。これは、だった。
「・・・・・・・・・」
俺はその人に見惚れた。こんな美人は見たことがなかった。
それで思わず見惚れてると。その人は俺に尋ねてきた。
「あの」
「えっ?」
「何を占って欲しいのでしょうか」
その人は俺にこう尋ねてきた。
「それで」
「はい、それでなんですけれど」
俺はその人に言われて我に返った。そうしてだ。
ありのまま話した。俺の占って欲しいことを。
「恋の相手と何時何処でどうやって出会えて」
「そしてですね
「ええ。その人とどうすれば一緒になるか」
「相手は。そうですね」
美人さんの占いはタロットだった。ロマニの人がやるだ。そのタロットを切る動作もそのタロット自体が美人さんには似合っていた。実に絵になった。
それを見ながら占いの成り行きを見守る。十枚のカードが変わった十字に置かれて。
そのカード、何枚かは逆さまになっているそれを見てだ。美人さんは俺に言ってきた。
「まず御相手ですが」
「どうした人でしょうか」
「年上の人ですね」
こう俺に言ってきた。
「その人とすぐに出会います」
「すぐにですか」
「場所は。貴方のお仕事は」
「学生です」
それも大学生だ。フリーターに見えたのかと内心思った。
「ここの近所の大学に通ってます」
「あの大学ですか」
「はい、あそこに」
「そこではないですね」
大学での出会いはないというのだ。
「別の場所になります」
「具体的には」
「夜に?大学以外の場所に」
何時かまで言ってきた。
「そこになります」
「大学以外の場所にですか」
「道ですかね。そこになり
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