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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第八十八話 国境会戦(後)
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閣下、敵中央の二個艦隊が方形陣に変化しました。どうやら此方の中央突破に備える模様ですな」
「うむ。その様だな。だが二個艦隊では抑えきれぬだろう。総参謀長、各艦隊に一旦後退を命じよ。我が艦隊は最後に後退だ」
「はっ!…全艦斉射三連!このまま攻撃を続行、各艦隊の後退を援護せよ!」
「これで叛乱軍も距離を取るだろう、各艦隊には再編成を命じよ」
「了解致しました」
おそらくこれで勝てるだろう。再編成終了後、我が艦隊とゼークト、シュトックハウゼンの艦隊は叛乱軍中央の二個艦隊に対して攻勢に出る。叛乱軍が此方の前進を止めるには中央の二個艦隊では足りぬ。彼奴等の両翼も前進阻止に加わるだろう。そこで機を見て再編成を終えた此方の両翼…シュムーデ、ギースラーが前進して叛乱軍の両翼の側面から攻撃を加える。後は敵兵力を削り取っていけばよい…。
「総参謀長、後退したらしばらく状況が変わる事はないだろう、司令部の要員に交替で休息を取らせよ」



10月1日02:45
自由惑星同盟軍、アムリッツァ方面軍総旗艦ペルクーナス、
ドワイド・D・グリーンヒル

 「帝国艦隊、後退しました。各艦隊、再編成に入ります」
「了解した。再編成終了後、各艦隊は状況を報告せよ。参謀長、第一、第二艦隊へ直衛艦隊の戦艦、巡航艦、あと空母もだ、全てまわせ」
「了解しました」
これで我々の周りには駆逐艦が二百隻程しか存在しなくなる。増援に出す艦艇もあわせて三千隻程…無いよりマシ程度だが仕方ない…。
「この後を考えると胃が痛くなるな」
「軍医に言って、胃薬を届けさせましょうか?」
「胃薬で治るならとっくに届けさせているよ…そうだ、フォルゲンの状況はどうだ?」
「中間報告が届いています。帝国軍が攻勢に出ましたが、現在は互いに対峙中の様です」
…ほう。流石はヤン・ウェンリーと言うべきか。これは…なるほど、ウィンチェスターの力が大、といったところだろうな。
「敵のミューゼル艦隊は新規編成の艦隊だったな?」
「はい。何でも皇帝の寵姫の弟だとか。年も若く、年齢は十九歳とあります」
「…そんなに人材難なのか、帝国軍は」
「それは無いでしょう。情報部はノーマークの様でしたが、ウィンチェスター提督は彼を高く評価しているとか」
「確か、イゼルローン要塞での停戦会見で実際にミューゼルという人物を見ているのだったな、彼は」
「はい」
「しかし、ヤン少将、ウィンチェスター中将は彼の攻勢を防いでいる。杞憂ではないのか」
「伸び代があるのでしょう。帝国軍も馬鹿ではありません、寵姫の弟だからといって正規艦隊を任せる筈はありません。しかもメルカッツ艦隊と共にフォルゲンを任されています。余程信頼されていなければ、主戦場ではないとはいえミュッケンベルガーもそんな配置にはしないでしょう」
「そ
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