激闘編
第八十八話 国境会戦(後)
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らな…うーん……。
「ローザス大尉、もう一度話したい、ヤン提督に通信を頼むよ」
帝国暦486年10月1日00:40
フォルゲン宙域、フォルゲン星系第四軌道近傍、銀河帝国、銀河帝国軍、
ミューゼル艦隊旗艦ブリュンヒルト、
ラインハルト・フォン・ミューゼル
“機雷原を全て爆破…とんでもない目に遭ったな”
「はい。よもやあの様な手で我々を混乱させるとは…沈んだ艦が無いのが幸いでした」
“奇策というのはペテンの様なものだ。二度目は無い、そう気落ちする事もあるまい。戦闘経過の概略を見せて貰ったが、指向性ゼッフル粒子を使用しての機雷原突破、本隊を陽動に使った両翼の攻撃…見事だ”
「ありがとうございます。ですが、勝手に戦端を開いた上に敵を逃したのでは意味がありません、申し訳ございません」
“卿や卿の参謀達とは事前の打ち合わせをしていないのだ、我等にも責任はある。逡巡して手をこまねいているよりは余程いいと思う”
「…お心遣い、痛み入ります」
“うむ…ところで、この後の事だが、この星系の警戒と監視に専念したいと考えているのだが…卿はどうかな。無論、敵が攻めて来るのであれば戦うが”
「はい、それで宜しいかと思います。ですが、私が言うのも心苦しいのですが、あまりにも此方が大人しくしていると叛乱軍に行動の自由を与えてしまいます。何らかの策を講じるべきだと考えますが」
“何らかの策か…思うところがあれば言って欲しい”
「饒回運動です」
”……後背を突く、と言うのか?“
「その動きを見せれば、敵も落ち着いてはいられません。我が艦隊が行います。メルカッツ提督は敵を引き付ける役目をお願い致します」
”成程な。叛乱軍に倣う、という事だな“
「はい」
”了解した。準備出来次第、連絡する“
10月1日01:00
ボーデン宙域、ボーデン星系、自由惑星同盟軍、アムリッツァ方面軍総旗艦ペルクーナス、
ドワイド・D・グリーンヒル
「閣下、敵が動き出しました、敵の左右両翼が動きます。ミュッケンベルガー艦隊が出て来る様です」
二日の間動きの無かったミュッケンベルガー艦隊が動き出した。敵両翼がそれぞれ左右にスライドし、中央にミュッケンベルガー艦隊が位置する様だ。
「参謀長、どう思う?ミュッケンベルガーが出てきたという事は、敵は中央突破をするつもりかな」
「はい…これで敵は中央に三個艦隊が位置することになりました、中央に無傷のミュッケンベルガー、右にゼークト、左にシュトックハウゼン…合計で四万隻を越えます。対する我々は中央に第一と第二艦隊、現在では合計しても二万六千程…ミュッケンベルガー艦隊が中央突破を企図するには充分な戦力差です」
「そうだな…第一、第二艦隊に連絡、
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