暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその十六

[8]前話 [2]次話
「その身でだ」
「知るものですね」
「その差別を受ける」
「そうすればわかりますね」
「実際にどういったものか」
「世の中はマイナスの物事程その身で知ればだ」
 そうすればというのだ。
「わかる」
「一体どんなものか」
「そのことがですね」
「実際にわかる」
「そうなのですね」
「そうだ、君達も思うな」
 自分と同じアウトカーストだからだとだ、ジャバルは周りの者達に問うた。その目は同胞達を見るものだった。
「実際にとな」
「無論です」
「我々もアウトカーストです」
「そこに生まれました」
「そして生きてきました」
「そうですから」
「そうだな、そして私は連合を見たが」
 今話している国をだ。
「やはり差別はあるが」
「マウリアより遥かにですね」
「遥かに穏やかで」
「それで、ですね」
「法律ではですね」
「若し差別により希望する仕事に採用されなかったり解雇されるとだ」
 その場合はというと。
「訴えればだ」
「そうすればですね」
「裁判所で裁判を受けられる」
「そして裁判に勝てる」
「望むものを得られますね」
「連合全体から支持者も集まる」
 その差別に反対する者達も力を貸してくれるというのだ。
「そうなる」
「そして和解なり賠償金なりですね」
「そうしたものが得られますね」
「裁判を通じて」
「法律に基いて」
「それが出来るのが連合だ」
 その国だというのだ。
「それが出来る、しかしな」
「マウリアは違います」
「カースト内でも高位のカーストはやはり強いです」
「裁判所も及び腰になります」
「そしてアウトカースト層の場合は」
「完全に、でした」
「何しろマウリアにいないとさえされていた」
 マウリアに生まれ生きていながらだ。
「国民とさえだ」
「認められていませんでした」
「カーストの外にいたので」
「その為に」
「一千億いるが」
 マウリアの正確な人口の三分の一である。
「しかしだ」
「その一千億がでしたね」
「疎外されていました」
「完全に差別されていました」
「それどころか」
「連合ではこうした話もある」
 ジャバルは再び連合の話をした。
「子供が差別に基くいじめを受ける」
「この場合もですね」
「訴えることが出来ますね」
「差別だと」
「人権侵害だと」
「そしてやはり支持者が集まり」 
 力を貸してくれてというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ