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八条学園騒動記
第七百五十五話 ドラッグその九

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「平和だったわね」
「サハラで数少ないそうした国だったな」
「あの国になのね」
「募集して採用した人をな」
「サハラ大使にして」
「単身赴任してもらっていた」
「ご家族がいる場合は?」
 エイミーは大使になった人が既婚者である場合も話した、そうであるケースも普通に考えられることである。
「どうなるの?」
「ご家族も希望すればな」
「サハラに行くのね」
「そうして基本一日一回祖国に連絡をしてな」
 そうしてとだ、ダンは話した。
「情報を送る」
「そうした生活なのね」
「あと時々連合の大使同士で会ってな」
 そうしてというのだ。
「パーティーを行う」
「外交でパーティーって大事よね」
「親睦を深めて情報交換を行うからな」
 ダンもこのことはよく知っている。
「それに在留している邦人の人達も招いてな」
「親睦を深めて」
「いざという時に仲がいいとその分連絡も取りやすいしな」
「パーティーは開くわね」
「だがその実はな」
 パーティーの、というのだ。
「居酒屋等で開かれる様な」
「飲み会?」
「そんなものらしいな」
「ちゃんとしたパーティーじゃないのね」
「そこまで開けるか、人がいるか」
「いないのね」
「だから時々大使館というか家かだ」
 若しくはというのだった。
「マウリアの飲み屋でだ」
「飲むのね」
「そうしているみたいだ」
「何かスケール小さいわね」
「人がいないからな」 
 連合の小国におけるマウリア外交はというのだ。
「だからだ」
「それでなのね」
「パーティーを開いてもな」
「そうなっているのね」
「もっと言えば予算もない」
 ダンはこちらの話もした。
「そちらもな」
「ないのね」
「そうだ、そちらもな」
 現実としてというのだ。
「連合内の外交に人も予算も回してな」
「余りをなのね」
「マウリアやサハラに回している」
「それは連合だと」
「どの政府もそうだがな」
 中央政府でも各国政府でもというのだ、各国政府の中にはダンの祖国琉球王国が含まれていることは言うまでもない。
「うちみたいな小国だとな」
「尚更で」
「マウリアやサハラにはそうしたものだ」
「大使の人一人とかなのね」
「基本いるだけだ」
「いるだけね」
「いるだけでもな」
 それでもというのだ。
「いいな」
「お仕事はね」
「いざという時の連絡役にもなるしな」
 このこともあってというのだ。
「それでだ」
「一人でも送ることね」
「交番の駐在さんみたいなものだ」
 ダンはこうも言った。
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