第百三十一話 悪魔がいないその四
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「宣伝で」
「そんな無茶苦茶なお話になったのね」
「ある程度以上にね」
「そうよね、いや何百人もあんな殺し方するって」
かな恵はここではバートリー=エリザベートだけでなくジル=ド=レイのことも思い浮かべていた。青髭と呼ばれたこの人物も吸血鬼と言われることが多いからだ。
「普通ないわよね」
「吸血鬼って言ったらルーマニアのあの人だけれど」
留奈もどうかという顔で言って来た。
「ブラド四世ね」
「ドラキュラ公のモデルの」
「何万人も串刺しにして」
その為串刺し公と呼ばれていた。
「敵の捕虜だけじゃなくて敵対する人達もね」
「そうしたのよね」
「他にも滅茶苦茶な殺し方してるけれど」
串刺しだけでなく他にもそうした逸話のある人物であるのだ。
「それもね」
「本当かどうか」
「伊達政宗さんだって」
留奈はここで日本の隻眼で知られる戦国大名の名前も出した。
「お城の人達皆殺しにしたって」
「あれ本当はやってなかったのよね」
「それでも政宗さんが自分はここまでするから戦うなら覚悟しろって」
「そう言って相手が怖気付いて戦わない様にする為に」
「その前に降る為にね」
そうする様に仕向ける為にというのだ。
「言ったらしいし」
「本当はそこまでしてないわね」
「織田信長さんも実はお寺焼いたことなくて」
比叡山の焼き討ちが有名であるがだ。
「案外人殺してないし」
「悪人には容赦しないだけでね」
「実は家臣や領民に優しかったし」
「怖い様でね」
「あのモンゴル帝国だって」
留奈はこの世界帝国の話もした。
「敵に容赦しなかったけれど」
「歯向かったらで」
「そんな相手は僅かで」
「実際はそんなによね」
「逆らったら容赦しないのを見せて」
このことは実際にであった、バグダートも一度それで徹底的に破壊されたことは歴史にある通りだ。
「物凄かったけれど」
「モンゴルの子も言ってるわね」
学園にいる彼等の話をだ、かな恵はした。
「凄かったって」
「ええ、けれどね」
「それでもよね」
「あの国だって普通の統治は寛容で」
ただし無闇に反抗した高麗には略奪の自由、人攫いの自由という何の容赦もない政策を実行している。
「公平で宗教や民族や文化で差別しない」
「そうした国だったわね」
「皆殺しにしても」
逆らった街をだ。
「それは少しでね」
「あくまで逆らった場合で」
「実際に殺した数は然程じゃなかったから」
その実はというのだ。
「あの国もね」
「じゃああの人も」
「流石にね。チヨちゃんは本当だって言ってるけれど」
留奈も彼女とは知り合いなのでこう言った。
「まあ違うわね」
「実際は」
「ウィーンでやったらアウトでしょ」
「自分を敵視している
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