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第百三十一話 悪魔がいないその一

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                第百三十一話  悪魔がいない
 午後の競技がはじまった、かな恵はクラスメイトが出ているその教義を見つつ理虹の話を聞いてこう返した。
「ああ、実際にハンガリーの子達ってね」
「あの人怖がるよね」
「あっちじゃね」
 ハンガリーではというのだ。
「悪いことしてると」
「あの人が来るって言うのね」
「今もね」
「そう言われれるのね」
「そこまでね」
 こう理虹に話した。
「怖がられてるそうよ」
「そうなのね」
「もう吸血鬼だってね」
「言われてるのね」
「本物のね」
「実際そうした行いよね」
 理虹も考える顔になって言った。
「本当なら」
「血のお風呂に入ったっていうと」
「ええ、何百人も殺して」
「チヨちゃんとは私ちょっとお話したことあって」
「知り合いなの」
「ええ、ただあの娘もね」
 彼女のことを思い出しつつ理虹に話した。
「やっぱりね」
「あの人怖がりそう?」
「ええ、あの娘凄く大きくて力持ちだけれど」 
「実際に強いのよね」
「けれどね」
 そうした娘だがというのだ。
「もうそのお話が本当なら」
「吸血鬼よね」
「人間とは思えないから」
 だからだというのだ。
「もうね」
「怖がるのね」
「日本にいなくて」
 そうしたおぞましい人間でない何かになった存在がというのだ。
「よかったわよね」
「いや、日本って残酷なお話少ないでしょ」
 一華がそれがいいといった顔で言ってきた。
「そうした人出たとか」
「暴君とかいないわね」
「織田信長さんだってね」
 そうした話が多いと言われていた彼もというのだ。
「実はね」
「残酷かっていうと」
「当時では普通で最低限の犠牲で済ませる人だったし」
「残酷じゃなかったのよね」
「そうでしょ」
 こうかな恵に話した。
「本当に」
「そうなのよね、実は」
「他にもね」
 日本ではというのだ。
「残酷なお話って」
「ないわね」
「有り難いことに」
 それこそというのだ。
「そんな人も出ないし」
「処刑だって穏やかよね」
「鋸引きなんて滅多になかったし」
 日本で一番残酷と言われる死刑方法である、
「江戸時代なんかしても」
「誰も鋸引かなくて」
「失敗ってなってね」 
 一週間位罪人の首から下を埋めてそれでも誰も引かずそうなることが常であったらしい。少なくとも江戸時代はそうだった。
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