第二章
[8]前話
「本当に」
「見ているとわかるか」
「ああ、付き合わないでな」
「付き合ったら駄目か」
「いい思いなんて絶対にしないからな」
だからだというのだ。
「見ていればいいからな」
「それじゃあ」
洲脇はそれならと頷いてだった。
高倉を見てみた、すると成績は極めて劣悪で授業も学校の雑務もさぼってばかりだ、そして他人に偉そうにしてだった。
やたら馬鹿にして悪口を言う、陰口も言えばだ。
自分と揉めている相手のことを喧嘩っ早い者に何かと吹き込む、強い者には媚びり弱い者いじめが大好きだった。
兎に角悪口ばかりだった、いいことは言わない。口癖はしばくぞ、で所謂イキリな言葉を息をする様に言っていた。
そんな彼を見てだ、洲脇はクラスメイトに言った。
「あれじゃあ嫌われるよ」
「わかったよな」
「うん、僕も嫌いになったよ」
「いいところなんてないな」
こう言っていいまでのというのだ。
「人間の屑だよ」
「そう言っていいね」
「だからな」
それでというのだ。
「あいつとは関わらないでな」
「近寄ったら駄目だね」
「本当に一緒のクラスになったらな」
「最悪だね」
「ああ、それだけでな」
「そこまで嫌な奴だから」
「嫌われてるんだよ、悪口しか言わないからな」
そうした輩だからだとだ、クラスメイトは忌々し気に言った。
「態度も何もかも悪いしな」
「そうだね、僕も付き合わないよ」
「そうしないと駄目だよ」
「全くだね」
クラスメイトの言葉に頷いてだった。
洲脇は高倉と付き合わなかった、高倉は中学を卒業するまで嫌われていた。そして成人式ではあまりに嫌われていてだ。
それが自分でもわかったので来なかった、同窓会に一度も呼ばれなかった。そのうえで彼が就職している会社のことも知れ渡ったが。
「あいつがいるのか」
「あいつがいる会社なら止めておくか」
「二度とあいつの顔見たくないからね」
「取引も仕事の依頼もしないわ」
地元では誰も避けた、高倉はずっと嫌われ続けた。洲脇は大阪に出て働いていたがその話を聞いて悪口ばかり言うとそこまで嫌われるのだとあらためて思った。
悪口を言うと嫌われる 完
2024・6・16
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