第3部
サマンオサ
その頃の勇者たち(ユウリ視点)
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「ねえ、ユウリちゃんはどう思う?」
「は?」
サマンオサ城の地下牢で、ザル女シーラの甲高い声が俺の脳天を直撃する。
薄暗い牢屋の中は石造りのせいかひんやりと肌寒く、座っているだけでつま先から冷えてくる。
俺とシーラはお互い石壁に背を預けながら、向かい合わせになりただじっと座って待っていた。
なぜ俺たちがここにいるのか、それは話せば長くなるが、かいつまんで言えばサマンオサ王の無茶苦茶な言いがかりによって、理不尽に罪人扱いされ、投獄されたのだ。
途中でシーラが呪文を唱えようとする俺を止めに入ったが、俺に落ち度はまったくない。むしろ真っ当な対応だったはずである。
だがこの城の連中は、俺たちを国家侮辱罪などというわけのわからない罪に当たると言い続け、ろくに抵抗もさせないまま俺たちを牢屋に連行した。それが今の状況である。
「何の話だザル女」
「あーっ、まーたザル女って言った!! ちゃんと名前で呼んでよ!!」
明後日には俺たち3人とも処刑されるという絶望的な状況の中、目の前でボーッとしていた彼女が突然訳のわからないことを聞いてきたのだ。思わず間抜けな声で返すのも無理もない話である。
「お前が俺に対して不快に感じる発言をするからだ。つまりお前が悪い」
「ひどっ!! ちょっと思ったこと口にしただけじゃん!!」
こいつの話し相手は俺では役不足だ。だが、俺の代わりにこいつの話を聞く奴はいない。一人単独行動をとったミオはもちろんだが、バカザルのナギも今は大事な用のためここにはいない。俺は仕方ないとばかりに話を合わせた。
「俺に意見を求めてたんだろ? だったらわかるように話せ」
「えっと、だからぁ……ミオちんとるーくん2号のことだよ」
「るーくん2号?」
俺は反芻したあと、それがミオの幼馴染みだか何だかの男のことかと思い出した。いつも思うがこいつのネーミングセンスには疑問を抱く。
「あの二人ってさあ、ただの幼馴染みかなあ?」
ぴくり、と自分のこめかみが微かにひきつる。
「そんなこと、俺がわかるわけないだろ」
突き放すようにそう言ったはずだが、向かいのザル賢者は全く意に介していない様子だ。
「ミオちんはともかく、るーくん2号は絶対ミオちんのことが好きだと思うよ」
……。
「だからなんだ? そんなこと、俺には関係ないだろ」
「ミオちんの鈍感ぶりは折り紙つきだもんね〜。あんなにわかりやすい反応してるのに、ミオちんにとってはるーくん2号は保護者みたいなもんなんだもんなあ」
「ふん、くだらん。もう寝るぞ」
俺は話の通じない彼女に背を向けると、冷たい石畳の上に横になった。未だにバカザルが帰ってこないが、別に大丈夫だろう。
なぜバカザルがいないのか、それはこの牢屋にぶち込まれた直後に遡る。
最後の鍵を持ってい
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