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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第206話:アリスの過ち
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らなさ、何より愚かさに自嘲せずにはいられなかった。

「本当に、あの頃の私は愚かでした。技術の使い方は人によってそれぞれ。応用なんて幾らでも利く。その事に考えが至らず、研究が終わればそれで満足していた。その結果多くの人々に取り返しのつかない不幸を齎してしまった」

 この事を知ったアリスは怒りのままにその研究が行われていた施設を破壊。同時に組織に保存されていた、自身が生み出した技術に関するデータも徹底的に破棄した後組織を出奔した。輝彦について行き、自分が犯した罪を少しでも償おうとする為に。

 そこまで話したところで、アリスは顔を歪め拳を握り締めて近くの端末に振り下ろした。

「なのに……なのに何故ッ!? 彼女達はどう考えても私が嘗て考案した技術が用いられている。でもデータは全部破棄した筈なのに……!」
「ま、冷静に考えれば、隠し持ってた人がいたんでしょうね」

 苛立ちと後悔を滲ませるアリスに了子が言った。実際それ以外に考えられない。恐らくはアリスが施設を破壊しデータを破棄する前に、別媒体でデータを保存していた者が居たのだろう。そしてその者が、アリス出奔後も研究を継続して結果ミラアルク達が生み出された。

 了子の見解にアリスは改めて己の迂闊さを呪った。確かに冷静に考えれば、何処かにデータがコピーされていてもおかしくはなかった。だが言い訳をさせてもらえるならば、当時の彼女は衝撃と絶望で頭が一杯になりそこまで頭が回らなかったのである。兎に角目に映る範囲と予想出来る範囲のデータさえ全て処分すればそれで何とかなると思っていた。
 それが間違いだったと突き付けられ、アリスは己の愚かしさに肩を落とした。颯人はそんな母の姿に、敢えて感情などを変化させず淡々とした様子で接し続けた。

「んで? 母さんとしてはこれからどうするの?」

 ここまで暴露したのだから、アリスがここで終わる訳がないと颯人は確信して問い掛けた。ただ自分の過ちを暴露しただけで満足する程、アリスは腰抜けでも無責任でもない。息子から向けられる胸の内を見透かす様な視線に、アリスは毅然とした様子で向き合い目標とする事を口にした。

「勿論、彼女達を助けます。彼女達があんな体になってしまった、その原因は私にあります。ならば、私が責任を持って彼女達を助けなければ……」

 決意を胸にアリスはモニターに映るエルザとミラアルクの事を見る。そして視線を颯人達に向けると、彼女は深々と頭を下げた。

「ですので、お願いです。次に彼女達を見つけた時は……その時は、彼女達を連れてきてほしいのです。お願いします……!」

 無論、アリスも颯人達に全てを任せるつもりではなく、自身でもミラアルク達を迎えに行くための準備は進めていた。ただそれが間に合うかどうは分からない。故にアリス
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